元気いっぱいにご用心?子供に起こるオスグッド症!!

一昔前であればスポーツの練習を個人で行おうとすると、コーチや近くに住んでいる経験者の先輩に教えを乞うしかありませんでしたが、昨今の小学生・中学生は動画の配信サービスを利用して世界中の選手のいいプレーが見れたり、気軽に練習風景やメニューが検索できることで、どのようなスポーツでも劇的にレベルが向上していると感じます。

けれど、子供の体格が変化したわけでもなければ、日本人が進化していきなり大人と同じメニューがこなせるほど頑丈な身体つきになるわけでもありません。つまり成長期の子供には成長期に合った練習メニュー練習量がある、という事です。

今回ご紹介するオスグッド症というのは頑張りすぎる子供のスポーツ選手に起こる膝の疾患で、成長痛とも混同されるものです。子供のうちであれば多少、膝に痛みが出てもすぐに完治するだろう、練習を続けていればそのうちに治るだろうと多くの方が考えてしまうものですが、子供のころの疾患は大人になってからもクセになり再発しやすい傾向がありますので、子供の変化には注意を向けてあげるようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。

膝の痛み、、オスグッドではなにが起こる?

それではオスグッド症の症状などを説明する前に膝関節の構造について確認していきましょう。日常的によく動かすという組織ですが、構造をよく理解するとオスグッドを始め、自分の膝に感じる痛みの原因がどこにあるのか?を理解しやすくなります。

膝はふとももの骨(大腿骨:だいたいこつ)とスネの骨(脛骨:けいこつ)の中心に位置していて、いわゆる膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨(しつがいこつ)が関節部分を覆っています。そして歩く、走る、踏ん張るなどの動きを起こしているのはふとももの前側にある大きな筋肉である大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が行っています。

この大腿四頭筋は膝蓋腱(しつがいけん)によって骨とくっついていて、この腱や骨の表面に炎症が起こることで痛みが現れます。ちなみに炎症という言葉を聞くと多くの方がイメージするのが、皮膚のケガのように筋肉に断裂が起こって血が流れているような事態をイメージすると思います。

もちろん、そういったことも考えられますが、スポーツ障害の多くは骨の表面にある骨膜(こつまく)と腱の間で炎症が起こります。ちなみに混同されることが多いですが、靭帯というのは骨と骨を繋ぐ組織では骨と筋肉を繋ぐ組織ということも補足しておきます。

そしてこの前述した膝関節にスポーツや仕事など、度重なる負荷がかかりすぎるとオスグッド症が発症していきます。オスグッドは初期段階では痛みはほとんどなく、ぶつける、他人との接触、急な方向転換、ダッシュなど極端に負荷のかかる運動でのみ痛みが走ります。

しかしその状態を放置したり、なんの対策もせずに練習を続けていると患部に腫れ灼熱感を感じるようになり、そのうちに運動中の屈伸運動など些細な動きでも痛むようになり、最終的には歩行や階段の上り下りなどの動きでも痛みが現れ、歩行困難になります。

オスグッドの症状が見られたらどうしたらいい?

これはまずは安静にして、膝を使いすぎないように注意したり、それでも練習を続ける時には監督者に相談のうえ、膝を使わないトレーニングに切り替えるなどが必要です。詳しくは下記、引用を参考にしましょう。

オスグッドの対応(心がけること)

オスグッドは、サッカーやバスケットボールなどをしている成長期の子どもに多く見られるスポーツ疾患です。シュートやキック、ストップ&ダッシュ練習、ジャンプなどに代表される、大腿四頭筋の伸縮や酷使、同じ動作の繰り返しによって発症します。膝に痛みを感じ始めたら、しばらくスポーツを控えて、安静に過ごすことが第一です。

オスグッドが発症するのは成長期だけです。成長が止まり、成長のためにあった軟らかい軟骨が硬くなると、オスグッドは発症しません。そういう意味では、成長期のみに起こり得る独特の症状であるため、成長痛と一括りにされてしまうことが多いのです。

オスグッドの痛みをなくすためには、その痛みが起因している根本的な問題を解決する必要があります。痛みの原因は、実は膝の下の部分にできる「出っ張り」ではなく、骨を引っ張っている「筋肉の収縮」にあります。

オスグッドは、膝の筋繊維が収縮して緊張した状態になっているので、血行が悪くなり、痛みが生じているのです。この緊張を解いて、痛みがない=「筋肉がゆるんだ状態」が自分にとっての当たり前にしていくことで痛みが解消されていきます。

引用:からさわ整形外科クリニック

最後に注意点ですが、オスグッド症に限らず、膝に痛みを感じる疾患というのは多くあります。お子さんが膝に痛みを訴えたからといって当記事や他のサイトの情報だけを鵜呑みにせず、原因を究明するためだけでも結構ですので、専門家に相談するようにしましょう。