パソコンが普及した弊害?テクノストレス眼症!!
テクノストレスという言葉をご存知でしょうか、これはパソコンやテレビゲームなどを長時間・高頻度に使用し続けることによって起こる目の病気、あるいはその状態が誘引となって発症する全身症状を指しています。
パソコンや大型テレビが普及したことで私たちの生活はとても便利に、そして楽しいものに変わりましたが、それらが普及する前には起こらなかった疾患が多くの方に起こっているのも事実です。
例えばスマホ首、別名ストレートネックとも言いますが、本来きれいなS字カーブを描くはずの首の骨が画面の見過ぎによってまっすぐになり、その結果、重たい頭部の重力を首で支えることができず、肩や背中にプレッシャーがかかることで肩こりや猫背になり、それがさらに腰痛や他の疾患を生み出してしまう症状です。
今回はそういったパソコンやスマホに端を発するテクノストレスによる眼の疾患、テクノストレス眼症について記事を書いてまいります。
テクノストレス眼症?
冒頭の通り、パソコンやその他の電子機器を使いすぎることによって起こる、眼と身体の疾患です。大きく分けると身体・眼・精神に支障を来すのですが、例えば身体の症状は肩がこる、首・肩・腕が痛い、日中だるい状態が続くなどがあります。
他にも精神的な症状でいえばイライラしたり、情緒不安定になる、焦燥感、不安感、そしてうつ状態や不眠症などが起こります。また眼球には眼精疲労のように眼が疲れる、眼の奥が痛い、視力が下がる、像がぼやけるなどをあげることができます。
またテクノストレスという言葉は大変、広義を有しており、眼症以外にもテクノストレス症候群・VDT症候群という言葉もあります。どちらも意味合いは同じですが、テクノストレス症候群は現代よりパソコンが普及していなかったころに、いままで書類ですべてを把握していたような方の前に突然、使ったことがない機器が導入されたことで使い方にとまどい、さきほどと同じような精神状態になってしまうこともテクノストレスの一環です。
あるいは最近ますます話題になっているネット依存もテクノストレスの一つです。特にゲームやネットに時間が取れる中高生は時間を忘れてゲームに熱中してしまうことで、学業をおろそかにしたり、友人と一緒に遊ぶ約束をすっぽかしてしまったり、と日常生活に支障を来してしまうこともあります。
他にもそれが慢性化し、ゲーム依存症といってアルコールやギャンブルの依存症と同様に自分のチカラではゲームをやめることができなくなり、専門機関への通院を余儀なくされる場合もありますので、その年代のお子さんを抱えるご家庭では注意が必要です。
テクノストレス眼症はなぜ起こる?
それでは長時間・高頻度でディスプレイを見続けるとどうして、テクノストレス眼症が起こるのか、ということについですが、私たちの眼というのは角膜や水晶体を網膜に反映し、二次元の像を捉え、その情報が視神経を通して大脳に伝わり、大脳内で三次元の画像として処理され、物を見ることはもちろん、物の奥行きを見ることができています。
そしてそれは私たちにとって非常に自然な行為ですから、この時、瞳でどのようなことが起こっているかはあまり認識されていません。しかし物を大きく見ることができる虫眼鏡でも眼鏡を前後にしなければピントが合わないように眼にも同様の働きを持つ箇所があります。
それが水晶体です。水晶体が厚くなったり、薄くなったりすることで私たちは遠くのものも近くのものも見ることが出来るのです。ちなみに近くのものを見る時は毛様体筋が収縮してその影響で水晶体が厚くなり、遠くを見る時は反対に収縮して水晶体は薄くなります。
しかし、水晶体だけではこのピント調節機能は働かせられません。その機能を担っているのは眼球の内部にある毛様体筋という筋肉です。例えば身体を動かし続けた次の日には筋肉痛が来るようにこの毛様体筋も酷使が続くと硬くなって凝り固まったり、痛みを発します。
つまり、テクノストレス眼症の始まりはディスプレイを見すぎることによって眼精疲労を起こし、そこから他の症状がどんどんと現れていくといえるかもしれません。
まとめ
今回はテクノストレス眼症やテクノストレスについて記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、昨今ではゲーム依存症やそれに付随する身体的な痛み、そして精神疾患が多くあります。
自分で身体のケアをしなければならない社会人の方々はもちろん、まだまだ自分のチカラでは気持ちや行動の抑制が難しい中高生の方々もネットやディスプレイを見続けることで生活に支障を来すような事態が起こりえます。
あまり集中しすぎないように一時間に一度は適度な休憩・ストレッチをしたり、時間を決めて外にウォーキングに出るなどパソコンの前から出来るだけ距離を置く行動を生活に取り入れましょう。
もしもつらい眼精疲労や肩こり、腰痛にお困りの際はお気軽に当院までご相談ください。