上腕二頭筋長頭腱炎とその検査法
厚い胸板や大きな二の腕などは良い身体つきの代名詞とも言えます。男性でも女性でもこの二つに筋肉がしっかりとついているとたくましくあるいは美しくみえるものです。
最近では身体を鍛えることは見た目の美しさだけでなく、内臓の働きを良くしたり、ストレス解消につながったりと良い事ばかりなので、ブームになっているようですが、何事もやりすぎというのはよくありません。
けれど、筋トレは無理をすることで身体を鍛える反面もあるので、その匙加減は難しいともいえます。今回はいわゆる力こぶと言われる筋肉の辺りで炎症が起こる、上腕二頭筋長頭腱炎について記事を書いていきたいとおもいますので、普段から筋トレをしている、あるいはこれから始めようとしている方は是非、参考にしてみてください。
上腕二頭長頭腱炎とは
腕を外側から上げたりねじったり、あるいは肘を曲げたりといった腕の力こぶを使う動作をすると肩の前側に痛みを感じると言う場合、「上腕二頭筋長頭腱炎」なのかもしれません。
「上腕二頭筋」とは力こぶを作る筋肉のことで、「長頭筋」と「短頭筋」の二頭が縦に並んで走っているためこのように呼ばれています。両頭とも肩甲骨から始まって前腕の骨頭に至っており、他の筋肉組織と同様骨との付着部分は腱によって繋がっているのですが、このうち長頭筋の腱は「結節間溝」という上腕骨にあるトンネル状の溝を通ってから肩甲骨と連結しています。このため腕を挙げたり肘を曲げたりする際にこのトンネル部分で長頭腱が擦れやすく、この摩擦が過度に起こると炎症を起こしてしまうことがあり、これを「上腕二頭筋長頭腱炎」と呼ぶのです。
上腕二頭筋は前述の通り腕を挙げたり肘を曲げたりする動作の際に使われる筋肉であるため、これらの動作を頻繁に、それも激しく行う野球やテニス、バレーなどのスポーツをする人に多く見られます。特に野球の投球動作、つまり腕を大きく振りかぶって肘を曲げ、勢いをつけて腕を振り下ろすという動作によって上腕二頭筋長頭腱は結節間溝内で強く擦りつけられて炎症を起こしやすいため、上腕二頭筋長頭腱炎には「野球肩」の別名が付けられているほどです。
上腕二頭筋長頭腱炎の検査方法
上腕二頭筋長頭腱炎を発症すると腕を上げる動作や肘を曲げる動作で痛みを感じるほか、炎症部である結節間溝部を押すと痛みがあったり特に夜になると痛みが強くなったりしますが、レントゲンでは患部が映らないため問診や超音波検査、MRI検査などで上腕二頭筋長頭腱炎の有無を確かめる必要があります。特に各専門機関で広く採用されているのは、上腕二頭筋にわざと軽い負荷を加えて反応を見るテスト法で、これには「ヤーガソンテスト」と「スピードテスト」の2種類があります。
「ヤーガソンテスト」では、患者の肘を90度曲げて手を内向きに捻らせた状態で、術者と握手し抵抗をかけながら手を外向きに返す動きをします。この時肩の前面に痛みが出るなら上腕二頭筋長頭腱炎と判断できます。
「スピードテスト」では手のひらを上に向け、肘を伸ばした状態で力こぶを作る動きをするか、そのまま肘を上げていきます。このとき術者が下向きに抵抗をかけ、これにより肩前面に痛みが出ればやはり上腕二頭筋長頭腱炎を発症していると考えられます。
まとめ
今回はいわゆる力こぶと呼ばれる筋肉に炎症が起こる上腕二頭筋長頭腱炎について記事を書いてまいりました。文中にもあるように上腕二頭筋長頭腱炎のテストは比較的簡単にできるものですが、何事も早期発見・早期改善がなによりですから気になることがあれば専門家に相談するようにしましょう。
では最後に昨今ではジムに通うなどして身体を鍛えることがブームになっていますが、何事も正しい方法というものがあり、これを間違えると上腕二頭筋長頭腱炎になる確率もあがってしまいますから、ダンベルを使った二の腕の筋トレの正しいフォームをご紹介して終わりたいと思います。
インクラインダンベルカールの正しいやり方(フォーム編)
インラインダンベルカールのやり方
インクラインダンベルカールのメニューをご紹介する前に、まずはインクラインダンベルカールの正しいフォームについてお教えします。どんな筋力トレーニングも正しいフォームで行うことが重要なので、しっかりと1つずつ把握してくださいね。
インクラインダンベルカールの正しいフォーム
ベンチの角度を45度に傾ける
自分が普段使うダンベルよりも少し軽めのダンベルを準備する
ベンチに安定するように腰かける
肩はあげず、リラックスした状態で下げる
胸をしっかりと張る
バーベルを下げて、上腕二頭筋をしっかりとストレッチさせる
(6)の時、肘は伸ばしすぎないように注意
上腕二頭筋を収縮させることを感じながらダンベルを上げる
ダンベルを下げていく時に肘は伸ばしすぎないようにする
インクラインダンベルカールのフォームで最も重要なポイントは、上腕二頭筋をしっかりとストレッチさせること。ただし、伸ばしすぎると上腕二頭筋を傷つけてしまう恐れがあるので力加減には注意しましょう。
引用:Smartlogボディメイク