梅雨の時期は見えない敵との闘い!事故に注意!!
出勤、通学、外出する日に雨が降っていると憂鬱な気分になりますよね。どんなに気を付けていても足元が濡れてしまったり、お気に入りの洋服やスーツに泥が跳ねないかとどうしても気になってしまうと思います。
当然、出来るだけ濡れないように車を使って移動したいという心理が働くものですが、様々なメディアでも叫ばれているように雨の日の運転は常に危険と隣合わせにあります。
今回はそんな雨の日が続く梅雨に車を運転する際に気をつけたいことをまとめていこうと思います。もちろん自分が濡れたくないと思うように歩行者や自転車、バイクに乗っている人も同じことを考えており、みなさんイライラしています。
車は道路上においてそれらの交通弱者よりも責任が重く、人身事故を起こした場合、罪に問われるのは車を運転している側です。ですから今回の記事をお読みいただき、改めて雨の日の運転の危険性を認識して、事故の無い移動をしていただければ幸いです。
それでは記事を進めてまいります。
梅雨の時期に多発する交通事故の原因
・悪天候による視界の悪化
雨が車に当たると水滴がフロントガラス、サイドガラス、ミラーに付着して視界が悪くなります。もちろん視界を確保するためにワイパーがあるのですが、隅から隅まで水滴を取り除いてくれるわけではありません。
その為、前の視界は見えていても、横や後ろの安全確認がおろそかになり、バイクの無理な追い越しや歩行者の突然の飛び出しに気づけない場合があります。
この時、特に注意したいのが反射板を付けていない児童生徒たちです。水たまりや車からの泥はねを警戒してなるべく道の外側を歩く大人と違い、非日常的にカッパや傘、長靴を着用した子供たちは普段と違った街の景色に興奮して周りの安全確認がおろそかになりがちです。
ですから雨の日に子供たちの横を車で通り過ぎる場合は「飛び出してくるかもしれない」という認識を常に持つようにしましょう。
また傘を差している歩行者はなるべく濡れないように、体を丸めて視線を下に向けてしまう傾向があります。こうすると後ろ、左右の視界が遮られ、雨や傘で音が遮断されることで近づいてくる車の認識が遅れることもあります。
あるいは雨に濡れないようにと気を取られて、大人でも普段はしないような飛び出しをして事故に合うケースもあるのでやはり「かもしれない運転」が出来るように気をつけましょう。
・水たまりによって地面が滑りやすい
雨の日はスリップ事故が多発します。その理由をいま一度、車の構造から確認してみましょう。車はエンジンで得た動力をシャフトに伝え、その力でタイヤを動かしているわけですが、ホイールだけではうまく動きません。
ホイールをゴム製のタイヤで覆うことでタイヤとアスファルトとの間に摩擦を生み出し、走ったり止まったりが自由にできるのです。この摩擦が多ければ多いほど、エンジンの動力が上手く伝わるわけですが、雨の日は濡れたアスファルトによって摩擦が減少します。
摩擦が減るとうまく走れない事はもちろん、止まる時に大きな問題が起こります、それが制動距離の増加です。車の免許を取得している方は一度は聞いた事があると思いますが晴れている日に比べて雨の日は制動距離が1.5倍も増えるのです。
これぐらいのスピードならこれぐらいで止まれる、という思いでブレーキを踏んでも勢いが減らず赤信号に突っ込んでしまう。といった事故も考えられますから、雨の日はいつもよりもゆっくり、そしていつもより早めにブレーキをかけるようにしましょう。
またブレーキを一気に踏み込む習慣がある方は日ごろからの運転で三段ブレーキを踏むように心がけましょう。一気にブレーキを踏むとタイヤがスリップし、車が前や横に滑る可能性もありますし、なにより一度、車が滑り始めてしまうと止まらないことでパニックを引き起こし、大惨事を招きかねません。
・渋滞によるドライバーのストレス
雨の日は、渋滞が起こりやすくなります。その理由は様々ですが、例えばゆっくり運転する車が増えること、家路に早く着きたくて車間距離を詰めてしまうこと、それから子供の迎えに車で行く親御さんが増えて単純に交通量が増加するなども考えられます。
無意識に車間距離が詰まると、前の車に追突しないようにブレーキの回数が増えてしまい、ブレーキの回数が増えると後続の車のブレーキも増え、ブレーキの連鎖によってどんどんと車間距離が詰まり渋滞を引き起こしてしまうのです。
渋滞が起きるとドライバーはフラストレーションがたまりイライラしてしまうものです。もちろん、そのイライラが原因で追突事故を起こしてしまう可能性もありますが、一番危険なのは渋滞を抜け出した時にイライラを発散するためにスピードを上げてしまう事です。
晴れている日でもスピードが上がると視野が狭くなるわけですから、視界が悪く、止まりにくい環境であればなおさら危険が増えてしまいます。そんなときこそ平常心で運転するように心掛けましょう。
雨の日に事故を起こさない対策
雨の日はゆっくりと運転し、いつでも止まれるように、そして急な飛び出しにも対応できるように注意を払って運転することはもちろんですが、ここでは車の装備品について確認してみましょう。
例えばタイヤの交換。タイヤは前述の通りゴムで作られているので、アスファルトとタイヤの間に摩擦を発生させて動いたり、止まったりできるわけですが、摩擦が生まれればもちろんゴム製のタイヤは摩耗していきます。
タイヤが摩耗していくと溝がなくなり、ツルツルしたゴムだけが残ることになります。この状態は非常にスリップを起こしやすい環境なわけですが、意外と知られていないタイヤの溝の役割についてご説明します。
みなさまはF1のレーシングマシンのタイヤを見たことがあるでしょうか?F1のマシーンのタイヤには溝がありません。つまり溝が無くても車はきちんと走るのです。
ではなぜ一般車のタイヤには溝があるのでしょうか?それは雨の日に備えるためです。タイヤの溝は路面の水分を包み込み、水車のように後方に水を排出する役割をもっているのです。この役割によってタイヤの表面が路面にくっつき晴れの日と同様に摩擦を作り出せるわけです。
およそ4割の溝が消失した時がタイヤ交換のタイミングといわれておりますので、一度ご自身のタイヤも確認してみてはいかがでしょうか。
またその際は、一緒にワイパーも点検してみましょう。雨の日だけに登場するワイパーですが、日ごろ使っていない場合はすぐに劣化してしまいます。
ワイパーはゴムで出来ている消耗品で時間がたてばどんどんと硬くなっていきます。硬くなるとフロントガラスにうまく吸着できませんので雨粒を払うことが出来ません。結果、ワイパーが動くことで視界の悪化を招きかねません。
大体、ワイパーは取り付けてから一年から一年半で交換するのが望ましいとされていますが、ご自身で判断できない場合は最寄りのガソリンスタンドなどで相談してみてもいいでしょう。
まとめ
天気の良い日と比べて雨の日は「渋滞」「視界の悪化」「飛び出し」など運転に適さない要因が様々にあります。文中でも触れましたが神経を張り巡らせなければならない緊張と、雨の影響による渋滞、周りのノロノロ運転などでイライラするし、ストレスを抱えやすくなります。
しかしイライラしたまま運転すると、渋滞を抜け出した時にスピードを上げてしまったり、安全確認がおろそかになったりと良いことはありません。普段から車の装備品に気をつけて、渋滞でもまぁいいじゃないか。という心の余裕をもって運転し、不慮の事故を起こさないようにしましょう。