交通事故で起こる可能性があるケガ、まとめ
交通事故で一番多いけがはムチウチといわれることがあります。例えば不慮の事故によって大きな衝撃が自分が認識しているよりもずっと重たい頭部にかかることによって、その重たい頭を支えている首を捻挫してしまう。
これは確かにありえる事ですし、交通事故に合ってムチウチになってしまった。という話もよく聞くことと思います。しかし、交通事故に合ってムチウチで済めば不幸中の幸いといえるでしょう。もちろん軽く考えてはいけません。ムチウチは単純に痛いということだけではなくて、大事な神経が多く通っている首の骨がズレてしまって、頭痛やめまいなど様々な第二次症状を生み出す危険も孕んでいますから決して放置はしないようにしましょう。
さて今回はそんなムチウチ以外にも交通事故でよくケガをしてしまう部位について記事を書いてまいります。
事故の衝撃は足に掛かる
運転をしている方はハンドルを握っているのである程度、自分の意志で衝撃を和らげる事ができます。しかし、助手席に座っている人がたとえシートベルトをしていたとしても衝撃によって動いてしまう個所があります。
それが下半身であり、足です。特に助手席には目の前にダッシュボードがあり、運転席に比べると多少幅広なイメージがあると思います。ですから、運転席よりも助走が大きく、衝撃も多くなります。
これによって起きるケガは例えばダッシュボードに膝のお皿をぶつけたり、骨折したり、靭帯を損傷したり、脱臼、打撲なども考えられます。例えば、以下のようなお悩みがあればぜひ一度ご相談ください。
・骨は折れていないのに痛みがある、違和感を感じる
・ケガをした個所が鈍くずっと痛い
・骨折は完治したと医者にいわれたのにまだ痛い
・湿布が効いていない気がする
レントゲンに写らないケガ
これらの症状がある場合、レントゲン写真には乗らないような打撲、捻挫、脱臼などを引き起こしている可能性があります。それぞれの症状は以下の通り。
まずは打撲。打撲とはどこかに足や腕をぶつけてしまった場合にできるアザなどのない内出血や患部の腫れなどの総称です。例えば交通事故に限らずに日常生活を過ごしている中でケガする可能性も高いです。
打撲は単純に内出血しているだけのように見えるので、ぶつけたあとも普段通りに暮らしたりスポーツをしたりしてしまう場合も多いです。また腫れが引くのも早く、通常1~2週間程度で腫れやアザが引いてそのまま放置している、という方も多いのが実際だと思います。
続いて捻挫です。
捻挫とは関節をひねったり、くじくことによって起こる損傷です。これはつまり可動範囲を超えて関節を動かそうとした場合に起こります。
自覚症状としては痛み、腫れ、熱っぽいといった所でしょうか。こちらも打撲と同様にしばらく放っておけばその内に完治する。という印象を抱いている方が多いと思います。
続いて脱臼についてです。
脱臼とは簡単に言えば、骨と骨をつないでいる関節が離れてもとに戻らなくなった状態をさします。よく漫画などで肩が脱臼して腕が動かない、上がらなくなるといった表現がでてきますのでご存知の方も多いかもしれません。
ちなみに、交通事故で脱臼だけを患うということはあまり多くはありません。なぜなら脱臼しているということは骨折している場合が多いからです。
交通事故に限りませんが骨折はキチンと直さなければ後遺症が残る可能性が高いので気をつけなければなりません。骨折が原因で、変形してくっついてしまったり、うまく動かなくなったりといったことも十分に考えられます。
事故の後遺症(その他)
交通事故が引き起こすケガは、もちろん身体の組織が壊れてしまう事だけに留まりません。ここでは脳や身体に残る後遺症について簡単にまとめます。
事故による後遺症で一番恐ろしいのはやはり遷延性意識障害(せんえいせいいしきしょうがい)ではないでしょうか。これは一般的に植物状態と言われる状態を指します。
もちろん、身体に麻痺や外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)つまり消えない傷の事ですね、そういったものが残ってしまうのもふさぎ込んでしまうほど、ショックな出来事ですが、周りにいらっしゃる方にとっては生きているのに意識が戻らないという植物状態は本当に悲しいものです。
あるいはそこまでいかなくても高次脳機能障害という疾患もあります。これは交通事故の衝撃や、脳にまつわる脳卒中や脳溢血などの病気によって、本人の言葉、思考力、集中力、記憶力、学習能力といった機能に問題が生じる疾患です。
またその他にもいままで普通にできていた食事、着替え、排泄などが上手く出来なくなったり、温厚だった人が急に怒りっぽくなったり、感情をあらわにするようになる、といった症状もみられます。
まとめ
今回は交通事故にまつわるケガやその他の機能障害などについて確認してまいりました。
冒頭でも述べましたが交通事故は本当に加害者にとっても被害者にとっても決して起こってほしくはないものです。普段から運転に注意を払い、疲れている時や視界が悪い日などには帰宅時間をずらしたり、休憩したりなど、事故の可能性を少しでも低くする努力ができると素晴らしいですね。