この競技と腰痛は切っても切れない関係!?卓球腰!
お子さんからお年寄りまでみんなで楽しめるスポーツの定番といえば卓球を挙げることが出来ると思います。以前は温泉地にもよくあったりして、一度も卓球で遊んだことがないという方の方が珍しいのではないでしょうか。
どのようなスポーツでも遊びでやっているうちは不意にぶつかるようなアクシデントがなければケガはあまりしませんが、競技として真面目に取り組むと膝やヒジ、あるいは腰の使い過ぎによって痛みが出てくる場合があります。
ここに一例を出してみると野球ならばヒジや肩、サッカーなら股関節や膝、バレーやバスケといったジャンプやダッシュを繰り返すスポーツであればやはり膝やかかとなどに大きな負荷をかけ続けることになります。
そして今回のテーマでもある卓球でいえば腰です。卓球を始めたてで動きにムラがあったり、チカラを入れて腰を回し過ぎるというだけでなく、上手くなってからもやはり卓球というスポーツの特性上、腰には負荷がかかってしまうものです。それでは詳しく確認してまいりましょう。
卓球腰とはどんな腰?
それではまず、卓球腰について説明する前に選手がどのような動きをしているか、思い出してみましょう。卓球はオリンピックのスポーツになったり天才卓球少女がいたりと、非常にメジャーなのでイメージできる方も多いと思いますが、まず選手は急な動きに対応できるようにテーブルに目線を合わせるほどの前傾姿勢を続け、左右に振られた場合でも動き出せるように膝を曲げて構えます。
次に球が来ると素早く腰を回して返球し、また球を追いかけ、最後にスマッシュを決める時は足からくるチカラを腰から腕、そしてラケットに伝えて打ちます。
実はこれらの動きは全て腰に負担を掛けるものですから卓球はその性質上、腰痛を繰り返さないためにはプレースタイルを改め、必要な箇所に筋肉をつけなければいけません。
それではこれらの動きが身体にどのような負荷をかけるか、という事をご説明していきます。まずは前傾姿勢についてですが、例えば朝に顔を洗面台で洗う時、同じ格好をずっとしていて、洗顔が終わるころには腰が痛くなった経験はないでしょうか。
それは洗顔だけでなくて同じポーズや座りっぱなし、立ちっぱなしでも同様ですが、私たちの身体は同じ姿勢をずっと続けていることができません。これは筋肉が疲労して痛みを発生させているからです。つまり、一見何もしてないように見えても筋肉は使われているのです。
さらにこの前傾姿勢のまま膝を折って、相手の動きに合わせて動き回るということは脛骨(けいこつ:スネの骨)の隣にある腓骨(ひこつ)につながる大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)とその先にある骨盤と骨盤内にある仙腸関節をけん引してやはり腰痛の原因を生み出します。
まだまだある卓球腰の原因
色々と聞きなれない単語もあるかと思いますが、、実は前傾姿勢が腰痛を生み出す原因はまだまだあります。この姿勢はスネや腰への影響もありますが、さらに腸腰筋という普段は骨盤させるために使用される筋肉も酷使します。
腸腰筋は脚を前に出したり、姿勢を安定させるために使用される筋肉なのですが、この腸腰筋の酷使が続くと機能が低下を起こします。ずっと重たいものを持ち続けていられないように筋肉は疲労するとその機能を失い、硬くなって周りの腱を引っ張ってしまいます。
その結果、腰だけでなく背骨や骨盤がゆがみ、姿勢が崩れることで腰痛以外にも肩こりや股関節、さらには頭痛などを引き起こす場合もあります。以上のように前傾姿勢を続ける卓球というスポーツは非常に腰に負担を掛けるスポーツということです。
まとめ
今回はこのスポーツとは切り離せない卓球による腰痛、卓球腰について記事を書いてまいりました。前述の通り、ずっと前傾姿勢を維持する卓球は腰部に大きな負荷をかけていることがお分かりいただけたと思います。
卓球腰の改善にはまず、我流でやるのではなく、キチンとした練習方法を指導者に教えていただいたり、適度な練習量を調べるなど身体に負担を掛けない方法で練習をする必要があります。
あるいはそれでも自分でなんとか改善を望む場合は先ほども登場している腸腰筋などのお腹の中にあるインナーマッスルを鍛えて体幹をしっかりさせるとよいでしょう。インナーマッスルを鍛えると腰痛になりにくいだけでなく、左右への体重移動やスマッシュの時に安定感あるショットが打てるようになるのでお勧めです。
しかし、もしも卓球腰の改善のために努力してみても一向に良くならない場合は普段の生活習慣に原因があったり、まったく別の疾患を抱えている可能性もあります。慢性的な腰痛に不安を抱いたり、身体の違和感でお困りの場合はお気軽に当院までご相談ください。