背骨靭帯の骨化!?後縦靭帯骨化症の症状とは!!
世の中には数多くの難病が存在しています。時には映画などの題材にもなるのでいくつかご存知の方もいらっしゃると思います。例えばバックトゥザフューチャーの主人公をしていたマイケル・J・フォックスが患った若年性パーキンソン病、手の震えが止まらなくなるやつですね。
それから映画、一リットルの涙に登場した脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)なども難病の一つです。
今回はそんな難病指定されている疾患の一つ、後縦靭帯骨化症について記事を書いてまいります。
後縦靭帯骨化症とは?
それではこの疾患の説明に入る前に、身体のどの部位に発症する病なのか簡単に解説してまいります。
ご存知の方も多いと思いますが、人間の背骨というのは椎骨と呼ばれる骨が積み木のように重なり合うことで形成されています。
そしてその積み木の中心には穴が開いていて、脳から発信された電気信号を身体に伝えたり、反対に手足の痛みや感覚といった情報を脳に伝える神経の通り道「脊髄」が通っています。
またその脊髄とおなか側の椎骨との間には後縦靭帯という靭帯があり、これが文字通り骨になっていく病が後縦靭帯骨化症です。では、この靭帯が圧迫されると身体にどのような悪影響が出るのでしょうか?以下に確認してまいります。
後縦靭帯骨化症の症状
後縦靭帯骨化症はその発症する部位によっても症状が異なります。さきほども触れたように背骨は積み木の重なりでできていますが、背骨のどのあたりにその積み木が存在しているかで呼び方が異なります。
例えば首周りの背骨を頸椎、胸周りが胸椎、そして腰回りを腰椎と呼びます。いずれかの個所をけがした経験がある方は一つぐらい名前をご存知だと思います。
そして後縦靭帯骨化症も発症する部位によって呼び方が異なり、それぞれ頸椎後縦靭帯骨化症、胸椎後縦靭帯骨化症、腰椎後縦靭帯骨化症、と呼ばれています。後縦靭帯骨化症でもっとも発症しやすい部位は頸椎だといわれていますが、どこの個所でも起こる可能性はありますし、あるいは合併して脊髄全体に広がる強直性脊椎骨増殖症を発症することもあります。
後縦靭帯硬化症の主な症状は手足のしびれ、びりびりとした痛みなどの神経障害や、早く歩けなくなったり、階段の登り降りが難しくなるような運動障害、意図しない尿漏れや便秘がちになる排便障害があります。
ちなみに、ここで話している骨化とは文字通り、靭帯が骨に変化してしまうことを指しておりますので首のスムーズな動きが妨げられ、重症化すると首と頭部を一緒に回転させないと後ろが振り向けないようになってしまう可能性もあります。
後縦靭帯骨化症、発症・症状のメカニズム
冒頭でも触れましたが後縦靭帯骨化症は難病に指定されています。難病とはいわゆる「不治の病」と同義として捉えられ、その原因は不明で治療法も確立されていません。
現代の医学で考えられる原因の一端は、遺伝による体質、ホルモン異常、カルシウムの代謝異常、糖尿病、肥満、老化などと考えられていますが定かではありません。
しかし、前述の症状がおこる原因はほとんどが解明されています。例えば神経障害や排便障害、体のマヒやしびれといった症状は脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)という病とよく似ています。
この障害は脊髄にある神経が圧迫されることによって起こるのですが、脊柱管というのは例えばホースを水が通ることを想像してみてください。その流れている水が背中の神経、そしてそれを覆うように守っているのが脊柱管とします。
ホースの一部分を強く握ると水の流れが悪くなるように脊柱管が圧迫されると先のような症状が身体に出てくるようになります。後縦靭帯骨化症も後縦靭帯が骨に変わり、厚くなっていくことで脊柱管を圧迫しているのだと考えられるのです。
後縦靭帯骨化症かもしれないと思ったら?
まずは病院にいって検査することをおすすめします。それからできる限り精密な健康診断を毎年受けるのも心掛けたほうが良いと思います。
後縦靭帯骨化症の症状にはまとまりがありません。軽度の骨化でありながら症状が重い場合もあれば、症状が出た時にはすでに手術が必要なほど病が進行しているというケースもあります。
その為、適度に機会を設けレントゲンを始めとする健康診断を受けましょう。それから万が一、突然、症状が現れた場合は安静にし、なるべく首を動かさないようにしましょう。なぜなら骨化によって肥大している後縦靭帯や脊髄に転倒や接触による衝撃が起きると症状が進むだけでなく、ほかの病を併発してしまう可能性もありますので十分注意しましょう。
まとめ
今回は背骨にある靭帯、後縦靭帯が骨に変わり、神経障害や運動障害などを引き起こす後縦靭帯骨化症について記事を書いてまいりました。
難病にも指定されているこの病は治療法が確立されていないために、治療が困難です。しかし、医師に診断を得て、監修してもらっていれば骨化が進んでいる個所を刺激しないように肩、腰、背中などをマッサージし、コリや痛みを緩和させることができます。
また≪病は気から≫という言葉もある通り、人と話し、マッサージによって身体も軽くなればネガティブでなくポジティブに病を受け入れられる心もできると思いますので、まずはお気軽にご相談ください。