年齢を重ねると高血圧になる?更年期高血圧!
人間が歳を取って行くと身体は様々に変化していきます。例えば少し活動しただけで筋肉痛になったり、ケガをしやすくなるといった身体の弱体化もありますし、顔にしわやシミが増えてしまったり、ほうれい線が目立ったり、というような見た目に見える変化もあります。
あるいは今回のテーマになっている高血圧のように筋肉が減ってしまう事で血流が早くなってしまったり、それに付随して血管が脆くなることで脳卒中や心筋梗塞なども起こしやすくなる可能性がありますので、注意が必要です。
高血圧と聞くとどうしても太っている男性に起こりやすい症状だと思われがちですが、今回ご紹介する更年期高血圧は名前からも推察できるように更年期に差し掛かった、女性。それも痩せている女性に起こりやすい症状です。
もしも当記事を読まれて、若いころにはなかったような症状が感じられたり、ご自身に当てはまる時は一度、専門家に相談してみるようにしましょう。それでは記事を始めてまいります。
更年期高血圧とは?
個人差はあれど、およそ50~60代で女性が必ず経験することになる、更年期。更年期には体のほてりや頭痛、めまい、イライラ感などの症状に悩まされる人も少なくありませんが、意外に気づかれず見過ごされがちなのが、「高血圧」です。高血圧はそれ自体に自覚症状がないうえ、若いころはどちらかというと低血圧だったという女性も少なくないことから、医療機関で受診し測定して初めて自分が高血圧だったと気づくケースが多いのです。
そもそも高血圧とは自宅で測定した場合に最高血圧135mgHg以上あるいは最低血圧が85mgHg以上であることを言いますが、更年期高血圧の場合、この数値が一定ではなく変動しやすいという特徴があります。例えば普段はそれほど高くないのに、頭痛やめまいなど他の更年期障害の症状が見られる時や、何らかのストレスを感じる時にそれに合わせて血圧が高くなる、といった具合。また逆に血圧が上がるせいで頭痛やめまい、不安感などが引き起こされることもあります。
いずれにしても更年期高血圧の場合は「一時的に血圧が上がっているだけ」と考えがちなのですが、これを繰り返しているうちにやがて慢性的な高血圧になってしまう危険性もあるため、無視するべきではありません。実際、女性の高血圧有病率を年令別で見ると50代で35%、60代で60%、70代では70%以上となっており、更年期高血圧をきっかけに高血圧になってしまったという人は少なくないのです。
更年期高血圧の原因は?
更年期高血圧の主な原因は、エストロゲンという女性ホルモンの急激な減少にあります。脳の視床下部はエストロゲンが本来の量を下回ると分泌させるよう自律神経に指示を出すのですが、体の分泌機能がそれに対応できない場合、無理な命令を切り返し与えられた自律神経はエラーを起こし、血圧のコントロール機能にも変調をきたしてしまうと考えられているのです。
またエストロゲンには血管内皮細胞で一酸化炭素を生成し血液を柔軟にする働きもあります。そのためエストロゲンが減少すれば血管の柔軟性が失われ、血管が拡張されにくくなる、つまり高血圧になってしまうというわけです。
なお、更年期高血圧は更年期が終われば自然に解消する場合もありますが、前述の通りそのまま慢性高血圧へ移行してしまう危険性もあるため、気づいた時点ですぐに対策を取ることが勧められています。
まとめ
今回は更年期にさしかかった女性に多い、更年期高血圧について記事を書いてまいりました。文中でもあるように更年期の高血圧は女性ホルモンのバランスが乱れることに加え、特に痩せている方は心臓のポンプ機能を補助する筋肉が少なくなり、高血圧になりやすい傾向がありますから注意が必要です。
また一般的に言われているように日ごろから塩分過多の食生活をしている方も要注意です。以下には減塩についてまとめられているサイトを引用してみますので、普段の食生活にも気を配ってみてください。
<まずは減塩を!>
塩分に含まれるナトリウムは、血管内の水分を増やす作用があり、過剰なナトリウムは血圧を高くします。血圧が高くなりがちな人は、本人も気づかぬうちに塩分の濃いものを食べてしまっている可能性が。
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン2019によると、高血圧の人の減塩目標量は、1日6g未満。1日6gといわれても、どれくらいの量になるのかイメージしにくいですね。食品の例を出すと、きつねうどんはおよそ4.1g、豚骨ラーメンはおよそ5.5g、ピザは3.4g。
梅干しおにぎりは1g、唐揚げ弁当は1.4g、アジの開き1.2g、食パン1枚は0.8gと控えめです。味の濃いもの、麺類、汁物、加工食品は塩分が多くなりがちなので注意しましょう。1日6gとなると毎食2gずつの計算になりますが、品数が少ない朝・昼は1〜2gずつ、品数が多くなる夕は2〜3gと考えると、薄味になり過ぎず美味しく食べられます。とはいっても、今まで味が濃いものが好きだった人には、やはり物足りなく感じるでしょう。
そのような場合は、”旨味・香り・酸味・辛味”
をうまく使い、味に深みを出しましょう。
引用:カラダチェック