月経異常とは?月経異常の原因になる疾患

男性と女性、どちらの一生が厳しいものになるか。といったことが議論の的になる時もありますが、その答えに結論は決して出ないものと思います。しかしながら身体のメンテナンスを続けることは男性よりも女性の方が大変だと言えるかもしれません。

今回はそんな身体をケアする行為のなかでも女性にしか苦しみがわからない月経の異常について記事を書いていきたいと思います。本文でも度々触れていきますが、月経の前後や異常にはホルモンの乱れが大きく影響しているものですが、ホルモン異常は自分ではコントロールできないものなので、周りにいらっしゃる方やパートナーのことを理解する上でも是非、ご一読いただければと思います。

それでは記事を始めてまいります。

月経異常とは

一般に月経の周期は25~28日と言われていますが、正常な女性でも毎回ピッタリと同じ周期で生理が来るとは限らず、3~7日前後のズレがあっても異常とはみなされません。「月経異常」とは月経周期がこの正常の範囲を超えている場合のことで、その中には生理が40~50日以上の間隔を開けて起こる「稀発月経」、逆に24日以内と間隔が短い「頻発月経」、90日以上月経のない「無月経」などが含まれます。

月経異常が起こる直接の原因は、ホルモン分泌の異常です。女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類のホルモンがありこれによって月経周期がコントロールされているのですが、これらのホルモンを分泌するために働く脳の視床下部や下垂体、卵巣のいずれかに異常があると、ホルモンが正常に分泌されず月経異常を引き起こすのです。

これらの器官に司令を出し正常なホルモン分泌を促すのが自律神経ですが、自律神経はストレスによって乱されやすく、自律神経のバランスが崩れるとホルモン分泌も乱れてしまいます。仕事や人間関係などで強いストレスを慢性的に受けると月経異常になると言われるのは、このためです。

月経異常を引き起こす疾患疾患

また器質的な異常、つまり疾患により、月経異常が引き起こされることもあります。

月経異常の患者に多い疾患の1つは、「多嚢胞性卵巣症候群」です。多嚢胞性卵巣症候群とは卵胞の成長が途中で止まって小さな卵胞(嚢胞)が沢山卵巣内にとどまってしまう病気で、定期的に排卵できないため稀発月経や無月経の原因になります。多嚢胞性卵巣症候群は20~45才の女性に多く、20人に1人の割合で発症するとも言われています。

同じく稀発月経や無月経の原因として挙げられるのが「高プロラクチン血症」で、月経異常の原因の9~17%に見られると言われています。「プロラクチン」は「乳腺刺激ホルモン」とも呼ばれる通り母乳を作るために欠かせないホルモンで、同時に産後すぐに妊娠しないよう排卵を抑制する働きもあります。高プロラクチン血症は出産していないのにプロラクチンの分泌が増加してしまう疾患で、このため揮発月経や無月経を引き起こしてしまうのです。

逆に過多月経(経血量が異常に多い)を引き起こす疾患の代表的なものが、「子宮筋腫」です。子宮筋腫とは子宮の筋組織にできる良性腫瘍のことで、特にエストロゲンの分泌に大きく影響するため生理中は腫瘍が大きくなり、過多月経の他に月経痛や腹痛、腹部膨満感などの症状が強くなります。

まとめ

今回は月経異常やそれを引き起こす原因などになる疾患について記事を書いてまいりました。月経の遅れであれば妊娠の可能性などもありうれしいものですが、異常が長く続く場合はなにかしらの疾患を疑うようにしましょう。

また女性は環境の変化に敏感でストレスを感じるといいますので、身体に特に異常が見られないときはご自身がおかれている環境などに目を向けてみるようにしましょう。なお、本文では一般的な女性について触れてきましたが、昨今では女性アスリートの方に起こる、月経異常なども多く、激しいスポーツをされている方などは下記の引用もご一読いただき、ご自身に当てはまることがあれば専門家に相談するようにしましょう。

運動と月経

アスリートや強度の高いトレーニングをする女性では、月経不順や無月経などの月経異常を起こす方が増えています。

要因として、ハードなトレーニングにより精神的・身体的なストレスを感じたり、トレーニングに見合わず食事が不足することでカラダに大きな負担をかけてしまうことなどが挙げられます。

私たちは、カラダを動かすことでエネルギーを消費し、食事を摂ることでエネルギーを補っています。【消費エネルギー=摂取エネルギー】の時が、エネルギーバランスが摂れている状態です。しかし運動により消費エネルギーが高くなっているにも関わらず、食事が十分に摂れていない場合、【消費エネルギー>摂取エネルギー】となり、エネルギーが不足の状態となります。

エネルギー不足の状態は、体調として感じにくいことも多く、「カラダは普段通り動くから大丈夫」「体重は減らないしエネルギーは十分」と思っていても、私たちのカラダは必死に節約モードに切り替えて、必要最低限のエネルギーで働いているのです。

このようにエネルギーが足りない状態が長く続くことで、女性ホルモンを調整する脳の視床下部がストレスを受け、下垂体からのホルモン分泌がうまくいかなくなり、その結果、月経異常が起きると言われています。

引用:DNS ZONE

https://www.dnszone.jp/magazine/2021/20373