ご存知ですか!?交通事故に起因する見えない痛みの謎
交通機関がしっかりと機能している日本でも、まだまだ車やバイクをお使いになる方も多いと思います。人間が運転をしていればどんなに気を付けていても交通事故は発生してしまいます。もし、不幸にも自転車に乗っている時、歩いている時に交通事故に巻き込まれたら、体に外傷が出来たり、部位の負傷は免れません。
そういった交通事故による怪我は、適切な治療を続けていかなければ、時間が経っても痛みが続いてしまったり、突然再発してしまったりするなど、後遺症が残ってしまう可能性もあるのです。
その他に、むち打ち症などの負傷には、事故後、数日が経過してから痛みや不調が現れるような癖の強い厄介ものも存在しています。今回は、そんな交通事故によって引き起こされる「目に見えるケガ」と「目に見えないケガ」について記事を書いてまいります。
痛みの正体は交通事故によるものだろうか?
交通事故に遭った場合、かすり傷程度の軽いケガで済むこともあれば、骨折や脱臼などの大ケガを負うこともあるでしょう。実は、かすり傷や少し身体を打った程度と自己判断で済ませてしまうと、後々泣きをみたりします。というのもケガには「目に見える痛み」とさらに厄介な「目に見えない痛み」が潜んでいるからです。
「目に見える痛み」といえば、X線や目視などで確認ができる損傷を指します。例えば、骨折、脱臼、捻挫、挫傷、打撲などです。これらはほとんどの場合、強い痛みや、症状が体の表面に出ることが多いので判断がしやすく、見た目にも酷ければ専門家に相談される方が多いと思います。
しかし、痛みをそれほど感じない、痛いけど外からみると大したことはないケガは「気のせいだろう」、「日が経てば自然に治るさ」と深く考えませんよね。しかしこの少しの痛みは何らかの異常が起きているという体からのメッセージだったりもします。
さて、では見た目にはそれほど酷くは見えない「目に見えない痛み」とは、何のことでしょうか?今回はむちうち症の他に、バレリュー症候群、脳障害というような普段、聞きなれないものも紹介します。
目に見えない痛みの原因は?
【むちうち症】
むちうち症は、首部やその周辺が事故などの衝撃により損傷を受け、単純に鈍い痛みがあったり、酷い時は身体に麻痺や機能障害を発症するものです。この正体はいわゆる首の捻挫です。このケガは車でなくてもバイクや自転車の事故、あるいは日常生活でも十分に起こり得ます。
人間の頭部というのは見た目以上に重く、2リットルのペットボトル3本、つまり6リットルもの重さがあるといわれています。けれどそれを支える首が頭部よりも太い、という人は皆無だと思います。つまり頭部に対して細い首に事故などの強い衝撃が加わってしまえば当然、関節や骨に異常を来たすことにつながるわけです。
さらにむちうちは、事故直後より少し後に症状が現れるという特徴があり、この首の痛みはあの時の事故の影響なのか?あるいは寝違えてしまったのか?など原因の特定が難しい損傷でもあります。
またひどい場合は痛みだけでなくて「肩こり」「頭痛」「吐き気」「めまい」「食欲不振」など、およそ首とは関係のない所で症状が現れる場合もあります。
【バレリュー症候群】
交通事故で首の部分を損傷すると、頭痛や不眠、倦怠感、めまい、耳鳴り、難聴などの症状が現れるケースがあります。このような症状のことを、バレリュー症候群と言います。
日本人の感覚でいうとバレリューとはどこか体の部位だろうか?と考える方が多いかもしれませんが、実はバレさんとリューさんというフランス人の名前が由来です。
さて、それでこのバレリュー症候群は何が原因かというと、自律神経、交換神経節(こうかんしんけいせつ)という首から背骨にかけて走っている大切な神経が直接、あるいは間接的に損傷してしまい先のような症状を引き起こすといわれています。
【脳障害(高次脳機能障害)】
事故によって一瞬で強い衝撃を受けると、めまい・頭痛・腰痛だけで終わらず、記憶障害、感情障害、注意欠陥障害が現れる場合もあります。こういった症状を高次脳機能障害と呼びます。大切な脳に起こる障害ですから、ひどければ社会生活もままならない程、症状が深刻化する場合があります。ただ、人によっては先にあげたような自覚症状が出ず「ちょっと首に痛みがある」という認識だけで放置してしまう方が多数おられます。
万が一、事故にあってから下記の症状が現れるようになった方がいたら専門機関で検査することをお勧めします。
- 物忘れがひどくなり、重要な事柄でも失念してしまう。
- 仕事でミスが多くなった。
- 自分で計画を立てて、効率よく動くことができなくなった。
- 欲求がコントロールできない。
記事のまとめ
交通事故とそれによって引き起こされてしまう予期しないケガは出来れば避けたいものですが、誰の身にも起こる可能性はあります。そこまで痛くない、耐えられないほどではない痛みは、確かに積極的に治していこうとは思えないかもしれません。
ですが、朝起き上がる時、着替えをする時、歩く時、小さな痛みをいつも感じていれば、それはやはりストレスになります。またご紹介した高次脳機能障害のように仕事や日常生活に影響を及ぼしてしまう症状もあります。
痛みがなくなり、素晴らしい日常を歩めるように。不安があれば一度お近くの接骨院に足を運んではいかがでしょうか。