油断しないで!!高齢者に襲いかかる交通事故の原因

2018年6月16日

昨今、高齢化が進み、70代~90代の高齢の方が事故を起こしてしまうニュースが多く報道されていますね。何十年も車の運転をしてきた熟練ドライバーの方が多いと思うのですが、なぜそういった高齢者による事故が起きてしまうのでしょうか?

その理由は年を重ねるにつれ、どうしても身体や脳が老化していくからです。また若い頃に比べて、視力や反射神経が鈍り、物事に対する反応が遅れやすくなっていることもあげられます。

特に高齢者の方によくある傾向として、年の功に頼り、大丈夫だろうと過信してしまうことがあります。例えば、通い慣れた通り道、行きつけの病院など長年に渡って通った経験が過信となり、交通事故を引き起こします。

また「高齢者だから道を譲ってくれるだろう」といった高齢者優先の認識「この道なら安心だ」「この道を走っていて人や動物が飛び出してきた経験はない」などの油断も禁物です。

もし、身近な人が交通事故を起こしてしまった場合、その背景には一体どのような原因が隠れているのでしょう。今回はそんな高齢ドライバーの事故について記事を書いてまいります。

 

高齢者に多い交通事故の特徴

 

冒頭でも触れましたが、高齢者になると長年積み重なった豊富な人生経験が自信となり、自尊心が強くなるという特徴があります。悪く言えば過信が仇になることになかなか気付けません。しかし人生で一度も事故を起こした経験が無い、交通違反を起こしたことが無いといった方はベテランドライバーの自覚を持っていても仕方ないように思います。

あるいは経験だけでなく「○○さんが事故を起こしたのは、健康体ではないからだ、しかし私は今も昔も変わらない」といった身体的な自信も過信を助長させてしまいます。

年を重ねると自尊心が高くなるのが自然であり、自分の心配をしてくれているのだろうと心では解っている他人の声も、自分に都合が悪いと素直に聞き入れられません。

けれど若い時の事故と高齢になってからの事故というのはその事後対応も異なってきます。

若い時の事故は自身に全ての責任があり、それによるケガ、加害者であった場合の責任も自身が負いますが、高齢者の場合、明らかな認知症の疑いがある方の事故は、監督不行き届きということで周りの家族に迷惑が掛かってしまう場合もあります。

当然、自分の事故が周りに迷惑をかけることを良しとする方はいらっしゃらないと思いますし、その対象が自分の家族だった場合は尚更です。そうならないために、自分も周りも気をつける事が大切です。

 

自覚できない身体能力の衰え

年を重ねることによって人は次第に身体能力が低下するので、当然、自動車運転に必要な「視力」「動体視力」「聴力」「判断力や反射神経」といった能力に支障が現れます。

加齢で目が衰えると単純に視力が低下すると共に、視野も狭くなるため、周りが良く見えなくなります。また動体視力の低下は、運動中に信号や標識を見落としてしまう可能性を高めます。

あるいは単純な視野だけでなくて、目がくらみやすくなるといった問題もあります。夜間運転の最中に、対向車のライトによって目がくらむことは若い時でもありますが、年を重ねると若い時よりも視力が回復するのに時間がかかることで目がくらんでいる時間が長くなります。

ほかにも音を聞き取る内耳の感覚神経の細胞が減っていき聴力が低下します。それが原因となりクラッションや周囲の音が聞きづらくなることもあれば、複数の情報を同時に処理する脳の能力が低下することも挙げられます。これによってアクセルとブレーキを踏み間違えるなど若い時には想像もできなかった間違いをしてしまうのです。

特に高齢者に多い事故の特徴は以下の通り

出会い頭による正面衝突の事故

右折、左折時の事故

うっかり信号を見逃したり、一時不停止などの安全運転違反による事故

交差点での判断ミス

ブレーキとアクセルの踏み間違い

 

認知症による交通事故には注意が必要

認知症になると、正常な判断が出来なくなってしまいます。運転中に目的地やハンドル、ブレーキの操作方法をポッと忘れてしまったり、ひどい場合は事故を起こしたことに気付いていないといったケースも少なくありません。

前述しましたが、交通事故の取り調べで運転手が認知症であると発覚すると、家族が監督責任を負われることになったり、あるいは認知症患者には保険が適用されず多額の損害賠償が発生してしまう可能性があります。

もし身近に認知症の方がいたら、上記のような可能性も認識の上、なるべく運転を控えて頂く、または事故を起こす前に返納制度を使って運転免許を返納するように促してあげましょう。

しかし交通手段が豊富な都心と違って、車以外の交通アイテムが乏しい田舎に暮らす人々にとって免許の返納は、日常生活に支障をきたす死活問題です。そのため認知症の疑いがあったとしても免許の返納をしたくない、という方も多いと思います。

けれど、交通事故の可能性を軽視することは出来ませんから、もう免許は必要ない。と本人が思えるように日ごろからサポートしてあげるようにしましょう。

 

記事のまとめ

加齢による身体能力の低下や認知症の方が事故を起こしてしまった時には家族にも迷惑がかかる可能性があることを確認してきました。

文中でも触れましたが、自身が高齢者であると認識した出来事がない、若い頃から自分に絶対の自信がある、見た目が若く身体能力の低下も少ない、という方はその過信から交通事故を起こしやすいです。

しかし、昨今ではテレビでもこういった特集がよく組まれていたり、ニュースでもよく高齢者の事故が取り上げられています。高齢者本人もいい加減うるさい!と認識している方も多いのではないでしょうか。

その場合、家族から免許返納を進められると、お前も俺が年寄りだと思っているのか!あるいは、返納しろと言われるから絶対に返納したくない!と意固地になってしまう時もあります。

まずは自身にとって免許はもう必要なのではないか?と認識してもらえるだけのサポートを家族が行ってあげることが結果的に早期に返納してもらう近道だと思います。