肩の健康に要注意!回旋筋腱板損傷(かいせんきんけんばんそんしょう)!

自分の身体のことは自分がよくわかっている。というのはよくドラマや映画などに登場する仙人のような方のセリフですが、実際の所、自分自身で考えてみると自分の身体状態がどのようになり、どこに不調があるかはよくわからないものです。

また大きく分けると腰が痛い気がする、足が痛い気がする、膝が痛い気がする。あるいは痛みもしくしく、ズキズキ、ズーンと鈍痛を感じるなどは主観的なものが多いですし、もちろん他人の身体になったことがないので他人の痛みなどはそれこそよくわからないものです。

今回はそんな痛みの中でも特に肩の腱板の痛みについて確認していきたいと思います。皆様、すでにご存じのように肩は上下左右、そして前後にも動く、とても自由で可動域が広い組織ですが、それだけ複雑に作られているために様々な理由で様々な箇所が痛くなることがあります。

もしも当記事を読まれて痛みに心当たりがある方はなるべくは行く専門家に相談するようにしましょう。それではじめてまいります。

肩の構造を確認しましょう。

それではまずは肩がどのような組織によって構成されているのか見ていきましょう。冒頭にもありますが、肩は非常に自由度の高い組織です。身体の組織において自由に動くという事はつまり、それで構造が複雑に作られている事の裏返しでもあります。

肩は二の腕の骨(上腕骨)から始まり、烏口突起(うこうとっき)、肩峰(けんぽう)。関節ならば肩峰下関節(けんぽうかかんせつ)、肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)、肩甲胸郭関節(けんこうきょうかくかんせつ)など、挙げだせばキリがありませんが、大変多くの組織から成り立っています。

ちなみに今回のテーマになっている回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)というのは棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋から出来ており、上腕骨の内旋、外旋、転回、つまりねじったり回したりする時に使われる筋肉です。

また筋肉には大きく分けてインナーマッスルとアウターマッスルとがあり、アウターマッスルとはいわゆる鍛えることによって身体が大きく見えたり、体脂肪の無い方が上着を脱いだ時に割れている筋肉で、インナーマッスルとは鍛えても大きくはならないが、細かい関節の近くに合って、関節の安定性を高めるために使用されている筋肉です。

特に肩関節は膝やヒジなどのように一方向にしか動かない関節(蝶番関節:ちょうばんかんせつ)と異なり球関節といって繋がっている所が球体になっているので、この安定性が非常に大切で、これらのインナーマッスルが無いと肩の亜脱臼(肩が外れてしまう)や肩腱板といっていわゆるスジを傷つけたり、場合によってはスジが断裂してしまうこともあるのです。

回旋筋腱板損傷とは?

腱板損傷は老化によって筋肉やスジが衰えていく60代後半の方々によくみられるケガですが、ラグビーやアメリカンフットボール、格闘技などフルコンタクトの多いスポーツをしている方や野球やバトミントンなど肩より上に腕を上げて行うスポーツの選手に多く見られます。

もちろんフルコンタクトの多い競技ではあたった時の衝撃によって発生し、その他のものであればオーバーワーク。つまり肩の使い過ぎによって引き起こされます。症状の特徴は肩の周辺が腫れたり、腕を上下する時、寝ている時などにズキズキと痛んだりします。

また腱板は前述の通り、四つの筋肉によって構成されていますので、例えば一つが断裂してしまったとしても肩が全く動かせないということはあまりなく、肩をすくめたり、肘を肩の上に上げるようにすれば動作してしまうので、重症でないと勘違いされて放置されてしまうことも珍しくありません。

まとめと予防法

今回は肩の構造や肩を動かしている腱板について記事を書いてまいりました。文中でも触れているように人は身体にケガをしていたり、痛みを感じる時でも、動けないほどの激痛でないとすぐに対処せず、しばらく放置して痛みがなくなるとまた活動を再開してしまう傾向があります。

しかし、脱臼ももちろんですが、肩のケガや断裂は総じてクセになりやすい傾向があるので、どうしても外せない試合があったり、発表の場があったり、ということ以外では痛み止めなどで対処せず、キチンと治すようにしましょう。

それでは最後に肩回りのストレッチトレーニングを紹介しているサイトをご紹介して終わろうと思います。肩回りの健康は肩の痛みを取ったり肩こりを治すだけでなく、ひいては腰痛や下半身など身体全体の健康にもつながりますので、どのような運動でも結構ですが、是非、実践してみてください。

1)肩甲骨のトレーニング:肩の動きをよくするには肩甲骨の動きが重要です。

肩甲骨の動きが悪いままだと肩の動きも改善されにくいだけでなく、腱板にもストレスが加わりやすくなってしまいます。肩甲骨のトレーニングには以下のような動きが有効です。

○肩をすくめる(肩を上げるイメージ)

○肩甲骨を寄せる(胸をはるイメージ)

○肩甲骨を丸める(背中を丸めるイメージ)

肩甲骨の運動は比較的炎症の強い時期から行うことができます。

2)肩の可動域練習:次は肩を動かしていく運動です。

○振り子運動

立った状態で上体を前に倒し、痛いほうの手を重力に任せて下に垂らし、反対の手は机や台に置いて楽な姿勢をとります。

そのまま体を前後左右に振って腕を揺らし肩の関節可動域を広げていきます。

あくまでも腕は重力に任せて垂らしているだけで、無理に腕を動かそうとしないようします。

ほかにも、あおむけになり反対の手で介助しながら腕を上げていく練習も効果的です。

そうすると無理なく肩関節を動かすことができます。

引用:GOスマイル