眼瞼下垂のセルフチェック法とおすすめのセルフケア
昨今では男性・女性にかかわらず、美容に関心を持っているという方が多くいらっしゃる印象を受けますが、美容というと肌や髪の毛、あるいは歯並びなどに注目することが多いかと思います。
今回は美容だけに限らずまぶたが落ちくぼんでいき、視界が悪くなる、肩こりが起こる、姿勢が悪くなるなどをもたらす眼瞼下垂について記事を書いていきたいと思います。この疾患は初期症状が大変わかりにくいこともあり、放置してしまう方が多いのが現状ですが、当文章を読まれてご自身にも当てはまるという方は改善に向けた努力を行いましょう。それでは記事を始めてまいります。
眼瞼下垂のチェック法
通常人の目は黒目の中心から上瞼の縁までに3~3.5mmの幅があるのですが、これに満たない状態、見た目で言えば瞼が瞳孔にかかっている状態を、「眼瞼下垂」と言います。瞼によって瞳孔が一部隠れてしまうため視界が狭くなり見えにくくなってしまうほか、無意識に目を開けようとして額の筋肉を使うため、額のしわが目立ったり眉が上がってしまったり、頭痛や目の奥の痛みを引き起こしたりといった弊害が起こります。
この眼瞼下垂には先天性のものもありますが、多くの場合何らかの原因で瞼を挙げる筋肉が伸びたり薄くなったりすることが原因の、後天的なものです。この「何らかの原因」には白内障や緑内障の手術のような発症時がそれとハッキリ分かるものもありますが、加齢やコンタクトレンズの常用などが原因の場合徐々に進行するため、初期の段階では自覚症状のない人も少なくありません。実は眼瞼下垂もステージによって外科手術を必要とする場合と悪化を防ぐセルフケアで対処できる場合とがあるため、初期の段階で眼瞼下垂の有無を発見しておくことが大切です。
眼瞼下垂の簡単なセルフチェック方法は、黒目の中心から上瞼の縁までの距離を定規で測ってみることです。前述の通り正常な場合はこの距離(MRD)が3.0mm以上、黒目の上の方に少しだけ上瞼がかかっている状態で、意識的に目を大きく開けば黒目の上に白目の部分が見えるはずです。
もしもMRDが1.5mm前後で、意識的に瞼を大きく開いても少し黒目にかかる場合は軽度の眼瞼下垂、MRDが0.5mm前後で目を大きく開けても黒目にかかり瞳孔の一部が隠れている場合は、中度の眼瞼下垂です。更に重度になるとMRDは-0.5mm前後、額を使って瞼を挙げようとしても瞳孔は半分以上隠れており、かつ瞼が窪んでいるのが特徴です。
眼瞼下垂のセルフケア
例え軽度であっても一度発症した眼瞼下垂をセルフケアで治すことはできませんが、緊急に治療が必要というほどではないため悪化を防ぐセルフケアで対処することは可能です。例えば瞼の筋肉である眼瞼挙筋のストレッチ。眼瞼挙筋を解して適切に動かせるようにするためのセルフケアです。
ストレッチ方法は、以下の4ステップ。
まずは目を閉じて眉を下げ、おでこの力を抜きます。次におでこ全体を手で押さえ、眉が動かないよう固定しましょう。その状態から両目を限界まで大きく開き、5秒間キープ。その後ゆっくりと目を閉じて目を休めます。
この4ステップを1日数回、毎日行うことで眼瞼挙筋の劣化を防ぐことができます。
まとめ
今回は先天・後天的にまぶたが垂れ下がってくる眼瞼下垂について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、この疾患は進行が遅いこともあり、初期段階では多少まぶたが落ちていようが、加齢によるものだろうか?あるいは疲れているからだろうか?
という理由から放置してしまう方が大半を占めます。しかしながら眼瞼下垂を放置していると例えば下記のように副次的にいろいろな箇所に影響を及ぼすとともに、さらに重症化していけば目が開かなくなる状態に陥ることもあるので、目に違和感を覚え、下記のような症状も出ている方は一度、専門家に相談するようにしましょう。
眼瞼下垂から起こる症状をチェック!
1)肩こり、腰痛、目の疲れ
まぶたが下がっていると、視界が狭まります。
そうするとあごを上げて見る習慣になり、首から背中に負担をかけ、姿勢が崩れることに。
また、目のまわりや、おでこが常に緊張をしていると、顔や首、肩の筋肉に疲労が溜まり血流も滞ります。
よって筋肉がさらに固まり、腰や膝が痛むことにも!
無理な姿勢と筋肉の緊張が、血流や神経に支障をきたして、肩こり・腰痛・目の疲れの慢性化につながるのです。
2)頭痛、めまい
無理な姿勢と、筋肉の緊張は、脳への血流や神経にも影響します。
これが頭痛やめまいの原因になることもあります。
偏頭痛やメニエール病に悩まされていた方が、眼瞼下垂の治療をしたら治った、というケースも発表されています。
検査で原因が判明しない頭痛やめまいが、実は眼瞼下垂によるものだったこともあります。
4)睡眠障害
寝つきが悪い、目が覚める、眠りが浅い、夢をよく見る、
といった睡眠に問題がある場合も、眼瞼下垂が関係していることがあります。
ひどくなると日中も眠気に襲われ、疲れやすく、疲れがとれないなどの、慢性疲労に陥りやすくなります。
引用:大西皮フ科整形外科医院