足のクッションはとても大切!偏平足にご用心!!
偏平足(へんぺいそく)というと皆様どのようなイメージをお持ちでしょうか。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、要は足裏の土踏まずがなくなってしまい、足の裏全体で体重を支えてしまっている状態を指しています。
足の裏全体で支えているのであれば、着土面積も広くなり、むしろ負担が軽減されるのでは?と思っていらっしゃる方、実は反対です。
偏平足になると足が疲れやすくなったり、腰痛、膝の痛みなどが現れるようになります。それではなぜそういったことが起こってしまうのか、一緒に確認してまいりましょう。
足の構造と偏平足になる原因
足裏は太ももから脛(すね)にかけて伸びてくる骨が足首を中心にして二股にわかれ、一方がかかと、一方が足指になるように五等分されて伸びていきます。そして正しい構造から言えばかかとと、足指の付け根を地面につけて歩く姿勢が最も身体に負担の少ない立ち姿勢、歩き方ということになります。
お分かりになる方が多いと思いますので引き合いに出しますが、これはターミネーター1に出てくる骨組みだけになったターミネーターの足を思い出していただけるとわかりやすいかと思います。
つまり、かかとから足指の付け根の間にある部分は本来、地面につくことはなく、しなった弓のように空中に浮いています。しかし足裏の骨折、靭帯の損傷、運動不足、肥満、運動による使いすぎ、あるいは幼い頃の発育不全などが原因で徐々に弓のしなりがなくなり、土踏まずがなくなっていってしまい、偏平足になります。
この疾患の一番おおきな問題は、正しい位置に体重が掛からないということです。人間の身体は全て一つながりで出来ているので一つがズレてしまうと膝、スネ、足裏の中心、足指の両側面などに余分な負荷がかかり、冒頭でも紹介した内容以外にも様々な問題が現れるようになるのです。
偏平足によって起こる症状
すでにいくつか登場していますが、改めて偏平足の症状を確認します。まず代表的なものが、足が疲れやすく、倦怠感があり、歩いていると足裏が痛くなるといったことが挙げられます。これは前述の通り正しい位置に負荷がかかっていないために起こります。
私たちの身体の構造からみると単純に直立している時はかかとに体重がかかるように出来ています。体重の一割といわれる重たい頭部から始まり、背骨、骨盤、大腿骨(ふとももの骨)からかかと。この姿勢を横から見ると頭から一直線に体重が掛かっているのがお分かりいただけると思います。
このように正しい位置に負荷がかからないと、膝、腰に余分な圧力がかかってしまい痛みを発したり、女性の方は気にすると思いますが、ハムストリング(ふとももの筋肉)を酷使するようになるのでふとももが大きくなったりもします。
一方、足裏に目を向けると、かかとにかかっていた体重が足指周辺にかかることになるので、ひどい場合は外反母趾などを始めとする足指の変形を招いてしまったり、足指の中指下や両側面にマメや魚の目などが発生するようになります。
偏平足の改善の為には
人は生まれてから、10歳ぐらいまでの間、外で走り回ったり、歩くことで自然と足の筋肉が鍛えられることによって、土踏まずが形成・発達されていくわけですが、昨今では子供も大人も運動不足・足の筋肉不足に陥っている方が多くいらっしゃいます。
特に偏平足の場合、後脛骨筋(けいこうこつきん)という筋肉が重要になってきます、この筋肉は先ほども登場した足裏の土踏まずを釣り上げている筋肉ですから、ここの筋肉が少なくなると自然と偏平足になってしまいます。
あるいはご自身に合っていない靴を長時間履き続けるのもよくありません。特にハイヒールはつま先に負荷が集中するだけでなく、そもそも履き心地よりもおしゃれさを重視したつくりになっているため、足裏の筋肉が使われず衰えていくことで偏平足だけでなく、外反母趾や魚の目なども併発しやすくなります。
他にも肥満・妊娠からくるものもあります。急激な体重の増加は常に重たい荷物を持っていたり、ジャンプしてから着地する時の負荷が足裏に掛かっている状態と同じです。この状態が長く続くと、かかととふくらはぎを繋げている靭帯が衰え、伸びきってしまうことで偏平足になります。
まとめ
今回は足裏の土踏まずがなくなってしまうことによって、膝・腰痛を始め様々な疾患の引き金となる偏平足について記事を書いてまいりました。文中でも触れている通り、土踏まずが消えると体重の負荷がかかと以外に集中することになり、足の痛み、疲れ、倦怠感が出てくるようになります。
日頃から履物に気を付けると共に、家では裸足で歩く、日常に運動を取り入れるなどに気をつけ、肥満体にならない食生活に注意しましょう。しかし、それらに気を付けていてもなかなか偏平足が改善しない場合、原因は違う所にあるかもしれません。耐え難い痛みが身体に現れた時はお気軽にご相談ください。