溜まった疲労は不調を招く?慢性疲労!
身体に疲労が蓄積されているという話をすると真っ先に思い浮かぶのが倦怠感を感じたり、やる気を失っている状態が想像されると思います。もちろんそれらも不調の一つではあるのですが、実際には内臓の疲れ、自律神経の疲れ(乱れ)、精神的な疲れ、肉体的な疲れ、など種類分けすれば大変多くの要因があります。
また疲労に関していえば日本人は海外からみても真面目な人が多く、些細な誤字脱字、あるいはしっかりと論拠のある資料が求められたりと仕事の質も高く小さなミスも良しとはされません。その結果、私たちは真面目に仕事の質を追いかけたため、がんじがらめになっているともいえるかもしれません。
今回ご紹介する慢性疲労症候群は男性よりも圧倒的に女性に多く発症し、特にさきほどのように真面目で几帳面、そして正義感が強く、自分も他人もミスをすることが許せない、といった方によく起こり、ご自身に当てはまる場合は疲れを取るために休息したり、ミスを許せるような心持ちで仕事が行えるように注意しましょう。それでは記事を始めてまいります。
慢性疲労とは?
冒頭にもありますが、日常生活を営めないほどの強い疲労感を感じ、その状態が六か月以上続いていると慢性疲労症候群とされます。具体的に、厚生労働省が以前にまとめた項目としては以下が挙げられます。
厚生労働省(旧厚生省)慢性疲労症候群診断基準
A.大クライテリア(大基準)
1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2.病歴、身体所見.検査所見で表2に挙げられている疾患を除外する。
B.小クライテリア(小基準)
- 微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
- 咽頭痛
- 頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
- 原因不明の筋力低下
- 筋肉痛ないし不快感
- 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
- 頭痛
- 腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
- 精神神経症状(いずれか1つ以上)
- 睡眠障害(過眠、不眠)
- 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現
つまり疲労感に加えて風邪のような症状が長く続いたり、睡眠障害なども起きるわけですね。程度にもよりますが、慢性疲労症候群が発症してしまうと、仕事が続けられなくなったり、家事・育児はもちろん、布団から出ることもままならず、寝たきりになってしまうような方もいらっしゃいますから、適度な休息を怠らないようにしましょう。
慢性疲労症候群にならないためには?
これまで慢性疲労症候群について書いてきましたが、実は休息を一時的に取ることで改善する普段の疲労とは異なり、慢性疲労症候群はまだ原因が全てわかっておらず、明確な予防法も確立されてはいません。
しかし、私たちの身体が疲労やストレスを蓄積してしまうことは確かです。慢性疲労症候群に限らず、ストレスや疲労をためることは様々な不調の引き金になってしまいます。
ではどのようにしてストレスを貯めないようにするか、についてですが、これはまずご自身が抱えているストレスの原因がどこにあるのかを考えてみましょう。すでに冒頭でご紹介しているように例えば疲労には内臓の疲れ、自律神経の疲れ(乱れ)、精神的な疲れ、肉体的な疲れなどがあります。
もちろん連日の激務によって肉体的な疲れを感じることはよくあると思いますが、人間が一緒に社会を作っていれば人間関係などで感じる精神的なストレスもあるでしょうし、やはり連日の暴飲暴食によって内臓が疲れている時は、食事・お酒を控えることも忘れないようにしましょう。
あるいは昨今では一般的になった自律神経というのも日ごろの疲労やストレスによって乱れ、不眠が現れたりしますし、その不眠によってうつ病などの精神疾患が引き起こされたり、身体の不快感が現れ、その肉体的なストレスがさらに自律神経の乱れを生み出す、といった悪循環に陥ってしまうこともありえます。
まとめと改善策
今回は満足に日常生活を送れなくなるほどの疲労感が半年以上も続く、慢性疲労症候群について記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが、この疾患の詳しい原因は判明していないものの、症状があらわれているのは確かですし、疲労やストレスの蓄積は身体にいいことはありません。
疲労やストレスには明らかに自分がしてしまっている暴飲暴食などが原因のこともあれば周りの影響によって精神的に感じるような、目に見えないものも存在します。また自律神経のように自分では制御できない不調もありますから、やはり日ごろから自分の身体と精神になるべく負担を掛けないよう、休息をしっかりと取れる環境を作りましょう。
もちろん、仕事に限らず、一人で育児をしている方や、ご両親などとの同居などでも知らず知らずのうちに疲労やストレスを感じますから、疲労感を長く感じる方は現在の状況をよく分析してみるようにしましょう。