足指に走る激痛!痛風と高尿酸血症の原因は?
古くは贅沢病といわれていた痛風ですが、食糧事情がよくなり、誰でも好きなものが食べられる昨今では誰にでも起こる可能性がある疾患となってしまいました。
しかしながら存在を知っていても好物であったり、日常的に飲酒されている方がいきなりそれらを摂取しなくなることが難しいことも誰しもわかっています。ですからなるべく節制を心がけて、病気が発症してしまうわないようにいつも気を付けるようにしましょう。
今回はそんな痛風について改めてどのようなことが原因で起こるのかを今一度、確認していきたいと思います。それでは記事を始めます。
痛風とは
「風が吹いても痛い」ということから名付けられた、「痛風」。主に足の親指の付け根に激痛が走るほか、足の甲や足、膝、手、肩の関節にも痛みが出ることが少なくありません。ただしこの痛みがずっと長く続くというわけではなくしばらくすると治まるのが特徴で、この痛みの発作と鎮静化を繰り返しながら悪化していきます。
痛風は男性に多く、それも年齢を重ねるごとに罹患率が高くなりますが、女性でも閉経と共に発症の確率が高まるとと言われています。と言うのも、痛風の直接の原因である「高尿酸血症」が多いのが、この年代であるため。「高尿酸血症」とは血液中にある尿酸の濃度が7.0mg/dL以上になっている状態で、飽和状態になって血液に溶けきれなくなった尿酸が結晶となり、これが関節に溜まって炎症や痛みを引き起こすのです。
このため痛風の痛み自体耐えがたいものですが、これが悪化すると関節の腫れがひどくなり、やがて腎臓にも尿酸の結晶が溜まって腎機能を低下させます。また尿路で尿酸の結晶ができると尿路結石となって激しい痛みを併発しますし、結晶化していない尿酸が腎臓に溜まっていくと慢性腎臓病になってしまう危険性もあります。更に高尿酸血症は糖尿病や高血圧なども合併しやすいと言われているため、これにより動脈硬化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞など命に係わる疾患を引き起こす危険性さえあるのです。
高尿酸血症の原因
もともと健康な人の体内にもおよそ1200mgの尿酸が存在しており、1日あたりおよそ700mgの尿酸を生成していると言われています。それでも高尿酸血症にならないのは、同じ量の尿酸が尿や便として排泄されるため。これを「尿酸プール」と呼ぶのですが、尿酸の生成量が増えたり逆に排泄量が減ったりすると、正常な尿酸値を維持できなくなり7.0mg/dLを超えてしまうことがあるのです。これが「高尿酸血症」というわけです。
高尿酸血症には前述の通り尿酸を作る量が多すぎる「尿酸産生過剰型」と排泄が少なすぎる「尿酸排泄低下型」、またこれらが混ざった混合型とがありますが、発症要因として最も有名なのはプリン体の摂取過剰である「尿酸産生過剰型」でしょう。プリン体はビールなどのアルコール飲料、肉やレバー、海老などの動物性食品に多く含まれているため、高尿酸血症、つまり痛風の原因となることが知られています。
同時にアルコールや肥満それ自体も尿酸の排出を抑制することが分かっているため、暴飲暴食は尿酸産生過剰、尿酸排泄低下の両方を引き起こすと考えられます。つまり混合型になりやすく、痛風になりやすい条件がそろっていると言えるのです。
まとめ
今回はその痛みやアルコールなどに起因する疾患としてあまりにも有名な痛風について記事を書いてまいりました。文中にもあるように痛風の原因は高い尿酸値にあり、健康診断などでも皆様が気にする項目だと思いますが、日常的なケアがなによりも大切です。
すでにご存じの方も多いかもしれませんが、一応、下記には痛風を予防できる食べ物などをご紹介しておきますのでご一読ください。
3.痛風の予防に効果的な食べ物
次に、痛風の予防に効果がある食べ物についてご紹介しましょう。尿酸の数値が気になる方や、家族に痛風持ちがいらっしゃる方は、これらの食品を積極的に取り入れることをおすすめします。
3-1.尿酸の排泄を促す野菜・海藻類
尿酸の性質として、酸性の尿には溶けにくく、アルカリ性の尿には溶けやすいとされています。尿の成分をアルカリ性に近づけてくれる野菜・海藻類は、尿酸の排泄を促す働きを持ち、積極的に摂るべき食材といえます。他にも、きのこ類やいも類などもアルカリ性の食品として知られており、食事に取り入れると痛風を予防する効果が期待できるでしょう。
3-2.痛風を予防するコーヒー
痛風を予防する効果がある飲み物として、コーヒーが挙げられます。はっきりとした因果関係は不明ながら、コーヒーの抗炎症作用が痛風の発症を抑えると考えられています。糖分や脂肪分が多い缶コーヒーは控えた方が良いですが、ブラックコーヒーは積極的に飲むことをおすすめします。ただし、コーヒーにはカフェインの働きによる利尿作用があるため、水分補給を忘れないようにしましょう。
引用:セゾンの暮らし大研究