最も長くてつらい眩暈?!前庭神経炎とは

身体の不調というものは毎日している行動や習慣によっておこるものもあればウィルスのように突然、襲ってくるもの、あるいはそれらが関係ない所でじわじわとはじまっていく不調というものもあります。

今回はウィルス感染や体調不良の後にやってくるめまいが特徴的な前庭神経炎という疾患について記事を書いていきたいと思います。後述していきますが、この疾患は長期間に渡るめまいが特徴的なのですが、めまいは他人にはよく理解されないものの、ずっと目の前がぐるぐる回っている不快感はとても耐え難いものです。

日常的に感染対策を続けることは大変な苦労ですが、マスクの着用筋トレによる免疫力の向上、ウィルスに抵抗できる食事習慣などできることから始めていくように努力しましょう。それでは記事を始めてまいります。

前庭神経炎とは

自分は動いていないのに周りがぐるぐると回っているように感じたり、フワフワとした浮遊感を感じたりする、眩暈。眩暈の中でも特に多いのは「良性発作性頭位めまい症」、「メニエール病」、「前庭神経炎」の3つで、このうち最も症状が激しく長く続くのが、「前庭神経炎」です。

そもそも「前庭」とは耳の奥、内耳にある器官で、三半規管と球形嚢、卵形嚢で成っており、これらが頭の回転や水平、上下の加速を感じ取ってその情報を「前庭神経」を介してに送ることで、自分が重力に対してどの程度傾いているのかを把握できるようにしています。つまりこの前庭と前庭神経のおかげで、私たちは体のバランスを保ち、転倒せずに歩いたり姿勢をキープしたりできるわけです。

従って、この前庭神経に何らかの原因で炎症が起こると、三半規管や球形嚢、卵形嚢から発せられる体のバランスに関する情報をうまく脳に伝えることができなくなるため、平衡感覚が失われます。これが、眩暈の原因。前庭神経炎の場合メニエール病などと異なり罹患する年代や男女の差がなく、誰にでも同じ確率で起こり得るのですが、罹患した人の約半数が風邪などの上気道感染や感冒にかかった後、その7~10日後に眩暈を発症していることから、ウィルス感染が関係しているのではないかと考えられています。一方で残りの半数は感染が見られないことから、ウィルス以外にも前庭神経の血管に一時的な血行障害が起こって発症する可能性も指摘されています。

前庭神経炎の症状

前庭神経炎による眩暈は回転性のもの、つまりじっとしていても頭や体がぐるぐると回っているような感覚に陥り、それに伴って吐き気や嘔吐が生じる場合もあります。前述の通り眩暈の中ではもっとも症状が強くて期間も長く、大抵の場合2~3日間、人によっては1週間ほど眩暈のせいで歩くことさえできないこともあります。

その後徐々に眩暈は治まって回復していきますが、体を動かすとふらついてしまうという症状は数ヵ月間続きます。個人差もありますが、半数の人はふらつきの症状がおよそ半年間続くとのこと。とは言え炎症を起こしているのは前庭神経のみで聴覚を司る蝸牛には異常がないため、メニエール病のように耳鳴りや難聴といった聴覚に関係する症状は現れません。また顔面の痺れや頭痛、ろれつが回らないなどの症状も前庭神経炎では認められないため、眩暈と共にこれらの症状も伴うのであれば、他の病気が原因になっていると考えられます。

まとめ

今回は慢性的なめまいに襲われる前庭神経炎について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、めまいという症状は他人にはよく理解されないものの当事者にとっては大変苦しい症状です。

また一見すると身体が起こしている不調というのは解決策がないように見えてしまいますが、以下のように紹介するリハビリであったりマッサージ、などの運動によって症状が改善されることもありますからぜひ、試してみてください。

 

前庭神経炎になると内耳からの情報が脳に伝わらなくなってしまいます。そこで、目を使った特別な運動を毎日行って目と脳のつながりを強くすることで、内耳が果たしていた機能を補い、ふらつきを改善するのです。

2つの代表的なリハビリ

リハビリの代表的なものに「顔の前で親指を左右に動かして目で追う」「顔の前で固定した親指を見続けながら頭を左右に動かす」などの方法があります。

顔の前で親指を左右に動かして目で追う運動

めまいのリハビリテーション法:北里大学医学部神経耳科学

【手順】

右手を前に伸ばし、親指を立てる。

両目で、立てた親指の先を見て、手だけを左右に動かす。

頭を動かさず、目だけで指先を追いかける。

(この動作を20回程度繰り返す)

顔の前で固定した親指を見続けながら頭を左右に動かす運動

【手順】

右手を前に伸ばし、親指を立てる。

手は正面に伸ばしたまま動かさず、頭を左右に動かす。

頭を動かしている間、目線は常に親指を見続ける。

(この動作を20回程度繰り返す)

これらのリハビリは、前庭神経炎以外でも、めまいが慢性化している人や高齢でふらつきがちな人にも効果があります。転倒を防ぐために、日頃から行うとよいでしょう。

引用:NHK健康チャンネル

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_623.html