手足の痺れの原因はコレかも?!変形性頚椎症とは

自分の身体には全く不調がない、年齢を重ねても全く健康に不安がない、という方も中にはいらっしゃると思いますが、一般的には年齢を重ねるごとに身体のケガが増えてきたり、原因は判明していないけれど膝が痛い、股関節が痛い、背中に痛みを感じるなど、身体の不調は増えていくものです。

そしてその主な原因は加齢にあります。子どもの頃にケガが少ないのは身体が柔らかく出来ているからであって、例えばそれはスポンジに卵を落とした時と地面に落とした時で卵の割れ方が異なるように柔らかい方が外からの衝撃を身体が吸収でき、また木よりもスポンジの方が折れにくく柔軟性があることで無理が利くといえるわけです。

一方で年齢を重ねると関節の軟骨が少なくなったり、硬くなることで可動域が少なくなる、同様に骨や筋肉といった組織も硬くなっていくことから、ケガも起こりやすくなりますし、血流や新陳代謝の悪化などによっても生まれる疾患があるというわけです。

今回は特に年齢を重ねることで起こりやすくなる背骨に関わる疾患、変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)について記事を書いていきたいと思います。それでは確認してまいりましょう。

変形性頸椎症とは?

デスクワークなど長時間同じ姿勢をとっていることで起こる肩こりや首・肩周辺の痛みは、筋肉が硬くなって血管を圧迫し血液の循環を妨げているせいで起こる症状なのですが、首の骨が原因で起こっている肩こりや首、肩の痛みの場合、箸を持ったりボタンをかけたりといった手の細かい動きができなくなったり、足がもつれる、手足が痺れるなどの重篤な症状を引き起こす危険性もあるため、注意が必要です。

そもそも人の背骨24個の椎骨が縦一列に並んでできているのですが、その骨と骨の間には衝撃を和らげ骨を守る「椎間板」というクッションの働きをするものが存在します。ところがこの椎間板は加齢に伴って少しずつ水分が失われて薄くなるため、骨同士の結合力が弱まってしまい、体はこれを補強しようと椎骨の端にとげのような「骨棘」を作るなど、脊椎に少しずつ変化を起こしていきます。これが、「変形性脊椎症」。この変形はどの部分の椎骨にも起こりうるのですが、首部分にある7つの椎骨「頸椎」にこれが起こった場合を、「変形性頚椎症」と呼ぶわけです。

変形性頚椎症の症状と対策

変形性頚椎症老化現象の1つであり、無症状で生活に何ら支障がなければそれ自体は「病気」とはみなされません。しかしこの変形が原因で、例えば骨棘によって椎間板のクッション機能が低下し神経が圧迫されるようになると、首や肩の痛み、肩こりのような症状が現れ始めます。更にこれが悪化すると、前述の通り手の細かな動きが難しくなったり、歩いていると足がもつれたり手足が痺れたりと、日常生活に支障をきたすようになる可能性もあるのです。

したがって無症状の場合には治療の必要もないのですが、喫煙が変形性頚椎症に関係していると言うデータもあるため、悪化を予防したいなら禁煙することが助けになるかもしれません。また首への物理的な負担を軽くすることも予防になりますから、猫背を正したり首に合った枕を使用したりするのもおすすめです。

一方、すでに痛みや凝り、痺れなどの症状が見られるなら、整体などの専門院で温熱療法や理学療法を受ける必要があるかもしれません。専門院では患部を温めて血行を良くし、痛みや痺れを緩和させる温熱療法や、首の関節に隙間を空けて神経の圧迫を弱める「頸椎牽引」、また首周りの筋肉をほぐして症状を和らげるマッサージ療法などが採られます。また患部を安静に保つため、「頸椎カラー」というコルセットのような装具を着用するよう勧められることもあります。

まとめ

今回は加齢によって変化する頸椎・椎間板によって神経が圧迫されることによって肩こりや肩の痛みなどを引き起こす変形性頚椎症について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、変形性~~とつく疾患は体中に起こる可能性があり、その多くが初期症状などでは痛みや違和感なども少なく、放置されてしまう傾向にあります。

しかしながら骨や椎間板、関節の変形というものは放置されると重症化していくことが多く、その矯正年齢を重ねるごとに難しくなっていきます。首や関節が痛くなるのは年齢によるものであると決めつけて何もしないでいると、せっかく歩けたはずの残りの人生を寝たきりで過ごしてしまう可能性もあります。

また昨今ではスマホやパソコンの普及によって画面を注視する機会が増えたことで、やはり頸椎が変形してしまうスマホ首、あるいは猫背や巻き肩を始めとする悪姿勢によって肩こりや首のこり、首周りの血行不良による痛みに悩まれている方も多くいらっしゃいますので、ご自身の身体の変化というものに敏感になってみるのはいかがでしょうか。