その腰痛は本当に姿勢が悪いせい!?心因性腰痛!!

あなたの身体に不調はありますか?という質問を行ったされたら、皆様はどのように返答されるでしょうか?2016年に行われた厚生労働省の国民生活基礎調査による男性の一位が腰痛、二位が肩こり、そして女性の一位が肩こり、二位は腰痛という結果が出たようです。

また同様に厚生労働省が2015年に行った国民生活基礎調査によると、全国で約2800万人が腰痛の症状を訴えているというデータがあります。これだけ多くの方にそれらの症状がみられるとなると、これはもはや国民病といっても過言ではありません。

それだけのデータが取れている腰痛ですが、その原因は非常に多く存在し、実は腰痛の8割が原因不明であるとも言われていますから、人間の身体はそれだけ複雑にできているとも言えますね。

以前までは腰痛の原因は主に身体的なコリであるという意見が多かったのですが、昨今ではそれだけでなくて精神的なストレスによって腰痛が引き起こされているともいわれており、それらを心因性腰痛と呼び、今回はこの腰痛について記事を書いていこうと思います。それでは始めてまいります。

心因性腰痛の原因はストレス?

では、心因性腰痛の原因についてですが、これは実は精神的なストレスだけでも起こりえますが。どちらかといえば、精神的なストレスによって痛みが増幅したり、精神的なストレスによって痛みの悪循環が出来てしまって、すでに持っている腰痛の痛みが増したり、腰痛の改善が長引いてしまう状態を指しています。

簡単に言えば病は気から、気の持ちようという言い方も出来るかもしれません。例えばそれは元々、腰痛を持っていた人が立つ時も座る時も逐一、腰の痛みが増えるのではないか。と疑っているうちに、不安になってしまうことで心因性腰痛になってしまう、といった状態です。

あるいは先ほどもご紹介しているように精神的なストレスだけによって生まれている心因性腰痛もあります。先ほども登場したように病は気から、などは単なることわざと思われがちですが、昨今ではこの心と身体の繋がりの研究が進み、医学的にも証明されているそうです。

ちなみに、身体の痛みを分析した結果、痛みは三つの要素のいずれかに原因があるとされ、一つ目は身体組織への刺激、二つ目は神経の障害、そして三つ目は心理的影響によって引き起こされていると現在では考えられており、腰痛に限らず、身体に異常がないのに痛みを訴えている方々の多くにはこの心理的影響が関わっているといわれているのです。

心因性腰痛のメカニズム

次に、心因性腰痛になるとどのようなことが身体に起こるのか?ということについて簡単にご説明できればと思います。まず初めに、あまり良い話ではありませんが、映画などで人が死ぬ前に痛みを感じなくなるシーンを思い出してください。

普段、痛みを感じるという事は、つまりがケガした身体を動かさないようにしたり、身体の危険を伝えていることで起こります。しかし、反対に脳は痛みをコントロールすることも出来るのです。

それがドーパミンシステムという脳のメカニズムです。これは脳内モルヒネという脳内物質を大量に分泌することによって、身体が感じるはずの痛みを軽減するものですが、心因性腰痛の場合、この機能が混乱を来し、痛みが減らず、さらにストレスを感じて、また脳内モルヒネが減少するという悪循環に陥ってしまうのです。

まとめと改善策

今回は心理的なストレスが腰痛を長引かせたり、腰痛を発症させてしまう心因性腰痛について記事を書いてまいりました。文中にもあるように心と身体の関係は科学的な証明も多くなり、徐々に改善されだしてきています。

以下、改善策についての引用文にもありますが、真面目に仕事や育児に取り組まれる方々は特にストレスをためやすいのが昨今の現状です。いつでも穏やかな心持ちをして、適度に自分を許してあげることがは心因性腰痛だけでなく、他のストレス性疾患の予防にもつながりますので、是非、ためしてみてください。

慢性腰痛の治療①考え方を見直す

慢性腰痛の治療法の基本の1つが、悪循環の原因となる考え方の見直しです。そこで、いくつか参考となる考え方を紹介します。1つ目は、「すべてか無か」ではなく、「ほどほどでOK」と考えること。「腰痛でまったく仕事にならないから、もうだめだ」と考えるのではなく、「腰痛はあるけれど、これだけ仕事ができた」と考えるようにするのです。

2つ目は、痛みのことばかり考えないこと。痛みのことばかり考えていると、それもストレスになります。体を動かすことや、楽しいことなど、別のことに集中するように意識しましょう。

3つ目は、実現可能な近い目標をつくること。たとえば、腰痛で家事ができなくて困っていたなら、少しでも家事ができるようになってよくなったと考えます。このように考え方を変えてみることで、ストレスなどの悪循環を断ち切りやすくなります。

引用:NHK健康チャンネル