疑わしければしてみよう!高齢者の認知機能検査!

認知機能検査という言葉をご存知でしょうか。周りに高齢の方がいらっしゃらないお宅ではあまりなじみがないかもしれませんが、警視庁では75歳以上のドライバーの方には自動車免許自主返納制度を利用するように促していて、その認知力検査の一端として使用される検査です。

昨今のニュースではよほど衝撃的な内容でなければ若者の事故よりも高齢者が起こしてしまった事故を取り沙汰されることが多くあり、少し前も認知機能が低下した高齢者がアクセルとブレーキを踏み間違え、商業施設に突っ込んでしまうニュースが連日報道されていました。

実際には国内で車を運転しているのは高齢者よりも圧倒的に若者の方が人数が多く、それに比例するようにして事故も若者の方が多く発生させていますが認知機能の低下など原因が明らかな時はやはり高齢者に目が向いてしまうものです。

若者でも車の点検が怠れないように、高齢者の方もご自分の認知能力を適時、把握して事故の無い世界を目指しましょう。それでは記事を始めてまいります。

高齢者ドライバーはどこから?

よくニュースでも言われている単語ですが、意外と高齢者ドライバーとは何歳からを指しているのかご存知ない方も多いのではないでしょうか。警視庁が定義する高齢ドライバーと呼ばれる年齢は65歳となっています。

日本人の平均年齢もずいぶんと上がり、最近では65歳というとまだまだ現役というイメージがあると思いますし、ご本人もそのように思われていると思いますが、一応、そう定義されています。

では次にこちらもよくニュースに上がる、認知機能という言葉についてです。これは記憶、計算、学習、言語、判断などの能力を総じて呼ばれる単語です。色々な表現がありますが、例えば車を運転している時、右から車が来ている、左から人が歩いてくるなど重要な情報ではなく周りの家や木などといった必要ないものに注力してしまう。

自分が走行している時、目に付いた標識や信号の意味が記憶と合致せず、自分の思い通りに解釈してしまって事故を起こしてしまう。類似した情報のどちらがどちらか不明確になる、これはつまりブレーキとアクセルの違いが判らなくなってしまう事ですね。他にも多くありますが、高齢者ドライバーが起こす事故の原因となるのはこのあたりです。

認知機能検査の中身

すでにお分かりいただけていると思いますが、前章でご紹介した認知機能が低下していないかを調べるのが今回のテーマになっている認知機能検査です。実際にご家族や周りの方から見れば、最近少しおかしい気がする、と疑問視されて質問をされても、自分はまだ大丈夫、運転に支障はない、と認識している方が多くいらっしゃいます。

それを裏付けるように自分は事故を起こさない自信があるか?というアンケートを取ったところ、高齢者になるほど自信があると回答したという結果が出たそうです。

となると、免許の自主返納を促すには何を基準にしたらいいのか?ということはなかなかわかりません。そこで警視庁は認知機能検査を作成し、ホームページにも以下のように紹介しています。

認知機能検査とは、、、具体的には、次の3つの検査項目を受けます。

・時間の見当識

検査時における年月日、曜日及び時間を回答します。

・手がかり再生

一定のイラストを記憶し、採点には関係しない課題を行った後、記憶しているイラストをヒントなしに回答し、さらにヒントをもとに回答します。

・時計描写

時計の文字盤を描き、さらに、その文字盤に指定された時刻を表す針を描きます。

検査終了後、採点が行われ、その点数に応じて、「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」、「記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)」、「記憶力・判断力に心配がない(認知機能の低下のおそれがない)」と判定が行われます。

(中略)

検査の結果、「記憶力・判断力が低くなっている」との結果であった場合は、警察から連絡があり、臨時適性検査(専門医による診断)を受け、又は医師の診断書を提出することになります。認知症であると診断された場合には、聴聞等の手続の上で運転免許が取り消され、又は停止されます。

引用:警視庁HP URL: https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html

より具体的な試験内容が知りたい方は下記https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html のページに検査用紙や採点方法などが記載されていますので、検索してみてください。最後になりますが、免許の返納に応じたくない理由の多くは、自分で運転したい、家族に負担をかけたくない、というものが多く挙げられます。

しかし事故が起こってからでは遅く、十分に気を付けるようにと促しながらも、移動する際には出来ればご家族のどなたかが運転してあげられる環境が作れるといいですね。