四十肩・五十肩の原因の1つ?!三角筋の炎症とは?

私たち体には大小600を超える筋肉がついているといわれています。例えば腕や足の筋肉は見えているのでもちろんご存知だと思いますが、その他にも目の奥にあって瞳を動かしたり、瞳孔を広げる筋肉や心臓などの臓器についている筋肉なども存在しています。

しかし肩こりや腰痛など部分的に痛みがある箇所があったとしても僧帽筋が痛い、などのように具体的にどの筋肉が痛むなどの表現は少なく、筋肉の名前をよく知っているのは鍼灸院や整体院あるいはボディービルダーのように筋肉を意識してトレーニングする一部の方に限られると思います。

けれど実は筋肉がどこにあって、その筋肉がどこに繋がっているのか、ということを意識してストレッチしたりマッサージすることで効果がまったく異なりますので、治らない痛みがある場合は是非、そのあたりを調べてみてください。

それでは今回は肩の筋肉を形作る三角筋の説明とその炎症について記事を書いていきたいと思います。

三角筋とは?

筋トレブームなどの影響で、丸くて大きな肩を作るボディメイクに最重要と見なされることも多い、三角筋。そもそも三角筋とは肩関節の上を屋根のように覆っている筋肉群のことで、その名の通り広げると三角形の形をしています。構造としては大きく「前部繊維」「中部繊維」「後部繊維」に分かれており、肩の動かし方によってそれぞれ異なった働きをします。

これらのうち「前部繊維」は鎖骨外側3分の1前縁に付着している2つの繊維で、屈曲と内旋に作用します。続く肩甲骨の先端、鎖骨と繋がる「肩峰」の外側縁に付着している「中部繊維」は1つの繊維しかなく、主に外転に作用。最後の「後部繊維」は肩甲棘(肩峰に至る肩甲骨中の背中側の骨)の下縁に付着している4つの繊維部分で、主に伸展と外旋時に作用しています。

これら3部位から成る三角筋は上腕骨に繋がっており、上腕骨を動かして上記のような動作を可能にしているのですが、単独で働くことはできず、肩の上を通る「棘上筋」や肩甲骨面に付いている「棘下筋」などと協働することでその役割を果たしています。

三角筋の炎症とは?

このように三角筋は肩関節の動きを支え腕の動きを可能にする大切な筋肉なのですが、ここに何らかの原因で炎症が起こると肩関節に痛みを感じ、痛みのために腕が上がらない、背中に手が回せないなど可動域が制限されてしまうこともあります。また夜になると痛みが増して眠れないほどになるといった夜間痛が見られることも多く、特に40~50代に発症率が高いことから、一般に「四十肩」や「五十肩」の病名で知られています。もちろんこれは俗称で、正式な医学名称は「肩関節周囲炎」。その名の通り肩関節の周囲にある組織のいずれかが炎症を起こしたために起こる疾患で、三角筋の炎症もこのうちに含められるというわけです。

肩関節周囲炎を起こしてしまう直接の原因は、加齢によって肩関節の骨や靭帯、腱が硬くなって滑動性が低下し引っかかりを起こしてしまうため、また肩を動かす筋肉や腱が老化してそれぞれの接合面に負荷がかかってしまうため、と考えられています。発症するのは利き腕であるかないかに関わりなく左右どちらか片方の肩で、両肩同時に炎症を起こすことはまずありません。

このように肩関節周囲炎は片側だけということもあり、日常生活にそれほど支障が出ない程度であれば放っておいてもいずれ治ると考えて放置されることも少なくないのですが、組織が癒着してしまったり肩を動かせないために血行が悪くなって更に動かしづらくなってしまったりする危険性もあるため、気づいたなら早めに治療することが大切です。

まとめ

今回は比較的名前が有名な三角筋についての詳細や炎症によっておこる不調について記事を書いてまいりました。冒頭でも触れているように筋肉は様々な繋がりがあって存在していますから、患部に痛みを感じてご自身でストレッチする時にはそういった事柄も意識するようにしましょう。

それでは最後に三角筋のストレッチをご紹介して終わります。

三角筋の効果的なストレッチ1. 机を使った簡単なストレッチ

肩関節と腕のストレッチ方法

(中略)

ストレッチの正しいやり方

椅子に座った状態で机に右肘を乗せる

右肘を乗せたまま、椅子を限界まで下げていく

その後、体を前に倒し、右手は右肩に乗せる

筋肉が刺激されているのを感じながら20秒間キープ

ゆっくりと体を上げ、左手も同様に行う

ゆっくりと体を上げ、左手も同様に行う

左右20秒 × 2回を目安に行うといいでしょう。

ストレッチの効果を高めるコツ

呼吸は止めずに安定させる

肘はしっかりと机に固定する

手を肩につけた状態をキープする

肩から胸にかけての刺激を感じながら取り組む

一番意識してほしいことは、手を肩につけた状態をキープしたまま、20秒間しっかりと伸ばし続けること。

しっかり筋肉が伸びていることを感じながら行うことで、肩関節の筋肉全体を効率よくほぐせます。

あくまでストレッチなので、無理に伸ばしたりせずに気持ちいいところでキープすることを忘れないでください。

引用:Smartlog

URL;https://smartlog.jp/174081