女性に多い足の悩み・外反母趾とは?

美しいという言葉を聞くとやはり美容をしっかりしていたり、普段からおしゃれな装いをしている方を思い浮かべるものですが、普段はあまり気にしない「足の美」について今日は記事を書いていきたいと思います。

忘れがちですが、というのは私たちの身体を支える屋台骨であり、この足に変形が見られると身体全体に悪影響を及ぼすこともあります。特に今回ご紹介する外反母趾はすでに市民権を得ている単語だと思いますが、それゆえにみんななっているから、と放置してしまいがちだと思います。

例えば最近、単純に足が痛いだけでなく膝をよく痛めるようになった、タコや魚の目が良くできるようになった、足の付け根が痛くなった、など下半身にまつわる悩みが出てきた方は一度、外反母趾になっていないか確認してみましょう。それでは記事をはじめてまいります。

外反母趾とは?

女性に多い足指の悩み、「外反母趾」。外反母趾とは足の親指の付け根にある関節が大きく「く」の字に曲がり、外側に出っ張っている状態のことを言います。

そもそも人の足の指にはその付け根部分に「基節骨」という骨があり、外から見るとここから指の骨が始まっているように見えるのですが、レントゲンなどで見てみると実際にはその手前、甲の部分から5本分の骨がそれぞれの指へと繋がっています。この甲の部分にある骨を「中足骨」と呼び、基節骨と中足骨の繋ぎ目、つまり関節部分を「MP関節」と言います。

外反母趾が起こるのは親指のMP関節で、その手前にある中足骨が内側に出っ張ってしまうせいでMP関節が外側に押し出され、親指の付け根が「く」の字に曲がってしまいます。日本においてはこのMP関節の変形角度が20°以上の場合を「外反母趾」と定義しており、20~30°であれば軽度、30~40°なら中度、40°以上を重度とみなしています。とは言え20°未満であっても親指のMP関節が不自然に曲がっていることで靴に擦れて痛んだりしびれを感じたりと、生活に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。

外反母趾と偏平足の関係

外反母趾はつま先が細くヒールの高い靴を履くために起こるとよく言われますし、実際そのような靴を常習的に履くことで足の骨を圧迫し外反母趾を発症してしまうケースも少なくないのですが、それ以上に大きく関係しているのは関節弛緩性や変形性膝関節症などの解剖学的な要因です。

中でも外反母趾の原因として指摘されることが多いのが、「偏平足」。もともと人の足は指と踵を支点にアーチを描いており、これにより上下にかかる負荷を軽減しているのですが、このアーチを描くための筋肉が緩んでいるといわゆる「土踏まず」が失われ、足全体がペタンと地面についてしまいます。これが「偏平足」であり、偏平足になると中足骨が体重など上下からかかる負荷の影響を直接受けるため、内側に開いてしまいます。このため先述した通り、MP関節は外側に押し出されて出っ張る、つまり外反母趾になってしまうのです。

それではなぜ偏平足になるのかというと、骨形成不全症など先天的な要因をのぞけば、前述の通りアーチを形成する「後脛骨筋」という筋の緩みが原因で、この筋の緩みは多くの場合加齢による腱の変性や体重増加が原因となっています。このような後脛骨筋のゆるみは中年以降の女性いため、使用する靴の傾向と相まって外反母趾を引き起こしやすいというわけです。

まとめ

今回は特に女性に多く発症する足指の変形、外反母趾について記事を書いてまいりました。文中にもありますが、昔から言われている通り、硬い靴を履き続けることは足の健康を損なうことにつながり、それは特に骨格が男性に比べて弱い、女性に多くみられる傾向があります。

大抵の場合、外反母趾が起きると足が痛くなる、おしゃれな靴が履けなくなる、などが一番大きな悩みとして挙げられますが、実は足の健康を失ってしまうとそれが膝や骨盤など下半身に悪影響を及ぼしてO脚やX脚や骨盤の歪みなどの変形を生んだりしますので、十分に気を付けましょう。

それでは本文の最後に外反母趾にならない靴や予防のためのマッサージを紹介しますので、是非、参考にしてみてください。

靴の指導

外反母趾の原因になるのは、先の細い靴やかかとが高い靴ですから、先が細くなく、かかとが高くない靴が理想的です。

(中略)

ハイヒールを履く場合、移動の間は別の靴を履くなどして、ハイヒールを履いている時間を極力短くしましょう。また、甲に太いストラップがついたハイヒールを選べば甲が固定されて、足が前にずれてしまうのを防ぐことができます。中敷きに貼る滑り止めを活用するのも良いでしょう。

足の指の体操

足の指でグーとパーを作る体操が効果的です。この体操で親指を支えている母趾外転筋という筋肉を鍛えます。

グーは全ての指を曲げます。パーは全ての指を開きます。このとき親指が開いていることが一番重要です。

軽度~中等度であれば進行を止める効果が期待できます。

外反母趾が気になり始めた方や子どもの外反母趾予防にも効果的です。

症状が中等度を超えた場合は、関節が硬くなってしまっており、このグーパー体操は行えません。その場合は、親指をつかんで人差し指と逆方向へ伸ばすストレッチを行い、関節を柔らかくすることが重要とされています。

引用:NHK健康チャンネル

URL; https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_24.html