膝軟骨のすり減りが事故の引き金に?変形性膝関節症!

どんなに願っていても、人は必ず身体が衰えていく生き物です。加齢が進むと身体の色々な個所に問題が起こり、交通事故を起こしやすくなっていきます。

例えば視力、若い時よりも物がぼやけて見えたり、広い視界が保てなくなったり、目がくらみやすくなって対向車のライトに当てられて視界が真っ白になる時間が若い時よりもずっと長くなったりします。

あるいは聴力、音を感じる細胞が加齢と共に減少していきますので誰かの発する危険信号クラクションに気づかず、思わぬ事故を起こしたりもします。

しかし今回は、そういった五感ではなくて身体的な衰えによって事故の引き金になってしまうかもしれない疾患について書いていこうと思います。その名も変形性膝関節症へんけいせいひざかんせしょう)です。

これはその名の通り、主に加齢が原因で膝関節の軟骨が摩耗して炎症や痛みを引き起こす疾患です。それでは詳しくみてまいりましょう。

膝の構造と加齢によるすり減り

それではまず最初に膝という組織について確認してまいりましょう。お年寄りになると膝が痛い、とおっしゃる方が多くいますが、確かに膝という組織は日頃から立ったり、座ったり、歩いたりと動くために欠かせない組織です。

その為、老若男女問わずケガや故障をしやすい箇所でもあります。では、なぜそんなにお年寄りの膝が痛くなってしまうのかですが、膝というのは大腿骨(だいたいこつ:ふとももの骨)と、脛骨(けいこつ:すねの骨)という二本の大きな骨と、膝のお皿といわれる膝蓋骨(しつがいこつ)によって形成されています。

そしてこれらの骨を軟骨組織が繋ぎ合わせていて、軟骨の外側をさらに半月板と呼ばれる組織が覆う構造になっています。今回のテーマである変形性膝関節症もそうですが、この軟骨は加齢や酷使によってすり減ってしまうのです。それによって炎症が広がり痛みを感じるようになります。

また軟骨がすり減っていくと骨同士が接触し、炎症だけでなく患部の可動域が制限されて動かしずらくなるといった特徴があります。

変形性膝関節症の進行

さて、この変形性膝関節症ですが、大きな特徴として初期はほとんど痛みを感じることはありません。また、進行していく疾患ですので初期は変形しているかどうか、自覚症状もほとんどありません

しかし、徐々に進行していくと膝の屈伸運動階段の昇り降り正座などが困難になっていきます。これは軟骨が摩耗して骨同士がぶつかりあって炎症を起こしているからです。

そして後期になると痛みが慢性的になり、じっとしている時は問題ありませんが、少しでも動かしたりするとすぐに痛みを感じるようになります。お年寄りの方はこの疾患によって外出せず、引きこもりになってしまう方もおられるほどです。

変形性膝関節症は事故を招く?


冒頭でもご説明しましたが、お年を召してくると身体の様々な機能が低下していき、運転するのに必要な能力が欠如していきます。それらに加えて今回のような進行性の疾患などにもかかりやすくなります。

変形性膝関節症に関していえば中期の進行状態が一番事故を起こしやすく、注意が必要です。中期は膝の曲げ伸ばしが徐々に出来なくなるとともに、時折、ずきっとした痛みを感じるようになるので、運転中にその痛みが走ってブレーキやアクセルを踏み過ぎてしまうことが考えられます。

また、徐々に膝が動かしずらくなっていきますので、アクセルやブレーキを踏みこんでいるつもりでも実際は、膝が動かず、やはり事故を起こすことに繋がってしまう場合もあります。

後期に差し掛かれば自覚症状もかなり出てきますし、正常な判断が出来るのであれば「この状態で運転すれば事故を起こす」と認識できるものですが、中期はなんともいえません。

まとめ

今回は、膝の軟骨がすり減り、痛みと共に変形していく変形性膝関節症について記事を書いてまいりました。

文中でも触れていますが、特に中期事故に気をつける必要がありますし、後期には痛みが広がり、耐えがたい苦痛を感じるようになります。

今回は交通事故の引き金になるかもしれない。というテーマでお話をしましたが、やはり膝の痛みというのは日常生活に支障を来すものなのでなるべくなら回避したい疾患だと思います。

変形性膝関節症を予防するには、日ごろから軽い運動を取り入れると共に出来る範囲で太ももふくらはぎの筋肉を鍛えることをおススメします。やはりここの筋肉が少なくなっていくと膝にダイレクトに衝撃と負荷がかかり、軟骨がすり減りやすくなりますし、この筋肉を鍛えておけば軟骨がすり減ってもその機能を筋肉がフォローしてくれるからです。

いつまでも健康にそして楽しく生きていくには日ごろの努力が大切です。ちょっとした時も電車やバスを使わずに運動できる環境を整えましょう。