頑張り屋はケガをする?シンスプリント!

成長期の子供を持つ親御さんであれば、誰でも必ず、自分の子供には頑張り屋になってほしい、優秀になってほしいとおもうものだと思います。もちろん、それはとても素晴らしいことですが、スポーツにおいてはしっかりと順序だてて練習を行わないと思わぬケガをしてしまうことがあります。

特に成長期のお子さんの身体は一見すると大人よりも柔らかくてケガが少ないように見えますが、柔軟であっても成長期特有のケガというのも存在するもので、今回ご紹介するシンスプリントというスネの痛みもその一つです。

この疾患は大人の方にも起こることはありますが、成長痛とも相まって、やはり成長期の子供によくみられますので、特にスポーツをしているお子さんがいらっしゃるご家庭では子供の動向に注意して、不審な点がある時は症状を確認して、重症化する前に専門家に確認するようにしましょう。それでは始めてまいります。

シンスプリントってなに?

冒頭にもありますが、成長期の若者に多くみられるスポーツ障害に分類されるものの一種です。主な症状は内側のスネや重症化していくとスネ全体に痛みを発するようになります。

原因は筋肉のオーバーユース(使い過ぎ)であることが多いのですが、成長痛によるものも見られます。シンスプリントという名前の方が覚えやすいかと思いますが、他にも過労性(脛骨)骨膜炎、過労性脛部痛、脛骨内側症候群など難しい名称も持っています。

ではなぜ、成長期にここが痛くなるのか、というお話ですが、人間が成長する時、身体全体が徐々に大きくなっていくような印象があると思いますが、実はまず初めに成長していくのは骨なのです。

成長期の骨には両端に骨端線という柔らかい軟骨が存在し、これにカルシウムが加わることで骨は成長していきます。すると、それに合わせるように筋肉や腱などが伸長していき、大人の身体になっていく、というわけです。

つまり、成長痛というのは筋肉や腱が骨の成長に追いつかない時に起こる炎症といえます。次にスネは脛骨という大きな骨を中心に出来ていますが、この脛骨の周りには前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、長趾伸筋(ちょうししんきん)という二つの筋肉、そして裏側にはいわゆるヒラメ筋と呼ばれる筋肉があり、それらの筋肉は骨につながっています。

しかし、骨と筋肉は直接つながっているわけではなくて、両端は腱(けん)でつながり、さらにその健は骨膜という組織を介して骨と筋肉を繋げているのです。そしてさきほどのように筋肉のオーバーユースが起こるとそれらの筋肉や腱、そして骨膜が引っ張られることで炎症を起こしてシンスプリントが起こります。

シンスプリントが起こる原因は?

すでに複数回出ているようにまずは成長している段階でさらに筋肉に負荷をかけてしまうと炎症を起こしてシンスプリントとなりますが、実は他にも原因は様々あります。

以下にはそれらをまとめたサイトを引用してみますので、ご自身にあてはまる場合は改善するようにしましょう。

シンスプリントの原因は何ですか?予防のため、してはいけないことを教えてください。

シンスプリントは、ダッシュや急ブレーキなどの繰り返す負担により、スネの内側、後ろ側の筋肉やそれを包んでいる筋膜が繰り返し引っ張られることで骨膜にストレスがかかり発症します。これらの負担が骨膜という骨の表面の膜にダメージや炎症を引き起こします。このようなダメージや炎症は、最初のうちは休んでいると治る程度のものですが、オーバーワークで休めないなどにより、完治する間もなく次の新たな損傷が生じ慢性化します。

さらにこれらの負担がかかった骨膜には、炎症に伴い、普段見られないような異常な血管が新しく作られてしまい、その血管と神経が一緒になって増えることで治りにくい痛みを作っていると考えられています。

シンスプリントのリスク因子(この項目が当てはまるとシンスプリントになりやすい)としては

1.扁平足

2.臀部や大腿部の筋力低下

3.柔軟性の低下

4.不適切な身体の使い方、良くない練習

5.下り坂を走ること

6.コンクリートなど硬い路面を走ること

7.不適切な靴の着用

8.体脂肪、BMI(肥満度指数)の上昇

などが挙げられます。

引用:慢性通治療の専門家による痛みと身体のQ&A

引用文にもあるように柔軟性の低下や筋力の低下によっても起こりますので、子供だけでなく、スポーツをよくする大人の方々もスポーツ前には準備運動をしたり、練習後にはクールダウンをして疲労物質をしっかり流してから練習を終えるようにしましょう。

まとめ

今回は成長期によく起こるスネの痛み、シンスプリントについて記事を書いてまいりました。文中にもあるように成長期のスポーツマンによくみられる疾患ですが、大人であってもシンスプリントにはかかります。

またシンスプリントに限らずケガの処置において大切なことは早期発見・早期改善です。運動中や運動後にスネ、あるいは膝などに違和感や痛みを感じた時は早めに専門家に相談の上、改善に向けて善処するようにしましょう。

スポーツをしているお子さんがスネに痛みを訴えていたり、利き足をかばうように歩いているなど、違和感を感じた時はご本人にお尋ねの上、痛みがあればお気軽に当院までご相談ください。